▼▽▼ Vol.473
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佐高信の筆刀両断~修身にある孝行で淫売婦~
2024/1/19
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◆目次
1・筆刀両断 修身にある孝行で淫売婦
2・『噂の真相』人名録(39) 田中優子
3・雑記
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1・筆刀両断 修身にある孝行で淫売婦
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『選択』の1月号に載った石井妙子の山田わか論に触発されて
山崎朋子の『あめゆきさんの歌』(文春文庫)を読んでいる。
副題が「山田わかの数奇なる生涯」である。
平塚らいてうや与謝野晶子と並ぶ女性評論家となった山田には、
アメリカの売春街で“アラビアお八重”として働いていた前歴があった。
隠しておきたい苦界に身を沈めていた経歴である。
それを読みながら、
沢村貞子の『私の浅草』(新潮文庫)を思い出した。
暮らしの手帖版の初版にあった次の1節が事情によって削られたのである。
それをまず引こう。
<となりの髪結いさんの表を掃除していた梳き手の娘が、
その後姿を見送ってチョコチョコと母たちのところに寄ってきて、
声をひそめて、
「あのね、今のおかみさん、
もと吉原でお女郎してたんですって―。
人はみかけによらないもんだ。
あんなおとなしそうな顔をして、って、
このあいだお客さんが言ってましたよ」
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