第298号(2024年1月19日号)
『最後の調停官 島田久仁彦の無敵の交渉・コミュニケーション術』
はじめに:
いつもメルマガ『最後の調停官 島田久仁彦の無敵の交渉・コミュニケーション術』をお読みいただきありがとうございます。
さて、今週号の内容ですが、まず【1】の
『無敵の交渉・コミュニケーション術』のコーナーでは、今週も引き続き
【待遇・条件を改善するための交渉術】についてお話しします。
今週はこれまでと少しアプローチを変えて
【交渉におけるBacklash Effectの罪】についてお話いたします。
その注目の内容は、本編をお楽しみに♪
次に【2―国際情勢の裏側】ですが、今週も国際情勢は流動的に動いていますが、
on-goingの紛争・戦争の出口がなかなか見えてきません。
今週、ダボス会議がスイスのダボスで開会し、
初日はウクライナ政府が提示した平和的解決に向けた案について協議する会合もダボスで開催されました。
ただ、ウクライナ情勢に対する国際社会の態度・姿勢にも変化が明らかに見えるようになってきました。
議長国スイスは『今後、開催される会議には中国の参加は不可欠だし、ロシアも何らの形で協議に加わる必要がある』と述べ、
欧州各国の出席者も『ウクライナは迅速に停戦に向けた話し合いを開始する必要がある』と述べるなど、
これまでのstand with Ukraine的なrallyは衰えてきたように見えます。
『ロシアに不法に占拠されている国土をすべて取り戻すまで、ウクライナは戦いを止めない』
という姿勢には理解は示しつつも、頑なに対話を拒む姿勢に非難も出てきています。
英国のスナク首相は対ウクライナ支援(2兆5000億円規模の追加支援)を約束しましたが、
その実施時期については、諸説あり、その実効性には疑問符が付されています。
イスラエルとハマスの戦いにも出口が見えません。
カタールやエジプトのように人質解放のために仲介に尽力している国々や
アメリカからも早期停戦と人道支援の緊急実施への圧力がイスラエルに対してかけられる中、
イスラエルの戦時内閣内での意見の不一致が目立つようになってきました。
ネタニエフ首相は、自らの政治生命の延命という別の目的のためにハマスの全滅まで戦いを止めない姿勢と主張を
貫いていますが、ハードライナーと思われてきたガラント国防相は、攻撃の継続の必要性に言及しつつも、
イスラエル軍による軍事作戦の縮小と戦略の変更の必要性に触れていますし、
他の閣僚からも人質解放を優先し、かつガザで繰り広げられる民間人に対する攻撃を止めさせるべきとの意見が
出されてきています。
背景には、南アによるICJへの提訴(イスラエルによるガザ攻撃は、
パレスチナ人に対するジェノサイドに当たるのではないかとの主張)を受けて、
国際社会からの非難が高まり、イスラエルの孤立が鮮明になってきていることがあると思われます。
イスラエルとハマスの戦闘はもちろん、ヒズボラやフーシー派、イラン革命防衛隊を交えた中東危機の複雑化は、
必然的に他地域に悪影響を拡げていくことになると予想されるため、
緊張が高まる一方でなかなか出口が見いだせない状況です。
そして気になるのは今週に入って北朝鮮が諸々の外交・安全保障面での方針を転換したことです。
金正恩氏によって韓国を統一対象から敵国と見なす方針に切り替える発表が出され、
それと並行する形でチェ・ソンヒ外務大臣がモスクワを訪れて、
プーチン大統領をはじめとするロシア政府幹部と協議していることは、いろいろと入ってきている情報を総合しますと、
非常に懸念すべき内容に思えます。
(ちなみに報道されているように他国の外相にプーチン大統領がモスクワで会うのは非常に稀です。)
今回【2-国際情勢の裏側】では、
【緊張高まる2024年の国際情勢-世界は戦いのドミノに陥るのか?】
と題してお送りいたします。
今回のメルマガも長くなりましたが、どうぞ最後までお付き合いくださいね。
それでは今週号、スタートします★
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