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vol.212:抖音、小紅書、微博などの8大SNSメディアを比較する。発信力などをマトリクス整理

知らなかった!中国ITを深く理解するためのキーワード
  • 2024/01/22
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━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 知らなかった!中国ITを深く理解するためのキーワード vol. 212 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ みなさん、こんにちは!ITジャーナリストの牧野武文です。 今回は、 中国の8大SNSメディアについてご紹介します。 中国ではコミュニケーションの主体が完全にデジタルになっています。例えば、媒体別の広告収入を国家ラジオテレビ局のデータで見ると、インターネットが72.0%になっています。テレビは16.6%にすぎません。比較のために、総務省で日本のデータを見ると、インターネットは43.5%であり、テレビは25.4%とまだまだ強い影響力を持っています。 これは、テレビ、ラジオ、新聞、雑誌という旧メディアの電子化が進んだことが大きな理由です。このようなメディアもすでにオンライン配信に軸足が移っていますので、いきおい、デジタル広告が増えることになります。 企業と消費者のコミュニケーションもSNSを通じてというのが基本になっています。日本企業も最近では、アプリ会員数やSNSのフォロワー数を重要なKPIにするようになっていますが、この点では中国は先に進んでいます。 そこで、企業がどのSNSを活用するかが重要な戦略になります。もちろん、すべてのSNSメディアに発信できればいちばんいいのかもしれませんが、それにはマンパワーが必要で、しかもメッセージがぼやけるというデメリットも生まれます。多くの企業では3つ程度のSNSを中心に、PR(パブリックリレーション)の戦略を立てています。 では、どのSNSメディアを使えばいいのか。それは難しい問題です。そこに正解のようなものはありません。小さく実行してみて、反応を見ながら、方針を改善していくという地道な努力が必要になります。 そこで、今回は、8大SNSメディアについて比較をしてみます。 知らなかった!中国ITを深く理解するためのキーワード vol. 212 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ▼目次▼ 抖音、小紅書、微博などの8大SNSメディアを比較する。発信力などをマトリクス整理 小米物語その131 今週の「中華IT最新事情」 次号以降の予定 Q&Aコーナー ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 抖音、小紅書、微博などの8大SNSメディアを比較する。 発信力などをマトリクス整理 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 今回は中国の8大SNSメディアを比較します。 中国からのインバウンド旅行客が今後どうなっていくのかは不透明です。以前、日本旅行をした経験がある人の多くが日本ファンになっており、ビザ免除が始まったらすぐ行きたいと言いますし、もう日本ではなくて他の国に行くと言っている人もいます。それ以上に、中国人の海外旅行そのものが戻ってきません。国内旅行は堅調に戻り、近距離旅行だったものが次第に長距離旅行も見られるようになりました。しかし、なぜか海外旅行に行く人は少ないのです。 ひとつには、コロナ禍の間、海外の情報が入ってこなくなったことが大きいのではないかと思います。旅行消費も、もはやSNS起点になっていて、SNSでバズった場所に行こうと考える人が多くなっていますが、海外の情報が入ってこないためにバズらない、バズらないから意識にのぼってこないということが大きいのではないかと思います。 中国国内で人気となった旅行先は、2019年は圧倒的に重慶市でした。観光施設の洪崖洞(ホンヤードン)や都市モノレールの軽軌の映像がSNSでバズり、そこから重慶市に遊びに行く人が増えました。コロナ禍の間は、淄博(ズーボー)と長沙市が人気になりました。淄博は広い会場で昼間から焼肉を食べて楽しむ姿、長沙はレトロな街並みで夜遅くまで遊べるということがバズり、人気になりました。そして、この冬は、ハルピンが人気になっています。東北の冬の寒さは半端ないという映像がバズり、その寒さを体験しに行っている人が多いようです。現在、開催されているハルピンの氷祭り(たくさんの氷像が展示される)の映像も大量に拡散し、人気となっています。 コロナ前は、日本の映像も中国でかなり流れていました。渋谷のスクランブル交差点や秋葉原、アニメに出てくる住宅街、自然豊かな北海道などの映像は多くの中国人が知っており、それをきっかけに日本に遊びに行こうと考えた人も多かったはずです。ところが、コロナ禍の間にこのような映像が消えてしまいました。 抖音(ドウイン)や小紅書(シャオホンシュー)でも、コロナ禍前は、日本の地方自治体などが積極的に映像を出していました。それがコロナ禍になって、出す意味が薄くなり中断をしてしまったようです。最近は、再び、中国のSNSに映像を配信する流れが戻ってきていて、「どのSNSに出すのがいいですか?」と聞かれることが増えてきました。 どのSNSが適切なのかは戦略次第です。それぞれのメディアで、年齢層、男女比、利用者の嗜好などが異なっています。そのため、ただインプレッションが大きくなるSNSを選ぶのではなく、どのような消費者層にリーチしたいかを考えて、複数を組み合わせるというのが正解になります。 では、どうやってその戦略を組んだらいいのか。これが難しいのです。正解を導くようなメソッドのようなものはありません。配信してみて反応を測定し、改善をしていくという地道なサイクルを繰り返していくしかありません。 そこで今回は、中国の8大SNSメディアをさまざまな角度から比較をしてみたいと思います。

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