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高野孟のTHE JOURNAL Vol.635 2024.1.22
※毎週月曜日発行
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《目次》
【1】《INSIDER No.1241》
日本の「下からの民主主義」の原点としての中江兆民/
「民権思想」を遡る・その8
【2】《CONFAB No.600》
閑中忙話(1月14日~20日)
【3】《FLASH No.547》
「あまりにも古色蒼然」時代錯誤な自民党・麻生副総裁
の国際社会二分論/日刊ゲンダイ1月18日付「永田町の
裏を読む」から転載
■■ INSIDER No.1241 24/01/22 ■■■■■■■■■
日本の「下からの民主主義」の原点としての中江兆民/
「民権思想」を遡る・その8
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本シリーズの前回は昨年10月23日号(No.1229)で、
明治初期の民権運動の先頭を走った天才的な扇動家=植
木枝盛について述べた。彼に最も深い思想的影響を与え
たのは10歳上の同郷の先輩=中江兆民で、兆民を通じて
ルソーの「民約論」の真髄に触れることなしには植木の
壮大な「東洋大日本国国憲案」は生まれることがなかっ
ただろう。そのことを含め、兆民こそが日本の民権思想
の父である。
●徹頭徹尾「下から」の革命家
彼と並んで明治の2大思想家と呼ばれ対比される福沢
諭吉のことを、「世間では、西欧文明を深く理解してい
る自由主義的な啓蒙家であり、『民主の徒』『洋学紳士
君』の代表であるかのようにいう」(色川大吉『自由民
権』、岩波新書)けれども、福沢の言う近代化はあくま
で「上からの近代化」であり、そうであるがゆえに、割
と簡単に「上からの国権主義」に転化する。「明治初
年、『天は人の上に人を造らず、人の下に人を造らず』
といい、アジア、アフリカの弱小国の人権も欧米強大国
の人権もまったく同等であると主張した福沢は、1880年
代にはもはや“存在”していない」(色川)。
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