「数学なしでデータサイエンス専攻に入れるな」
不足するデジタル人材を増やそうと近年、情報系学部の学部の新設が続いているようです。では、その中で何が人気かということでは「データサイエンス」何だそうです。例えば、本年度(2024)年度に新設されるデータサイエンス系の学部としては、国公立では宇都宮大、千葉大、茨城大、お茶大、富山県立大、京都府立大などがあり、私立では明治学院大、金沢学院大、東洋大(フードデータサイエンス?)、阪南大などがあるようです。
問題は、文理融合的な学部になっている場合など、数学の学力が十分でなくても入れてしまうケースがあるようです。大学の側では、少子化の中でできるだけ受験生を集めたいのでしょうが、データサイエンスというのは要するに統計学であり、少なくとも代数と微積分の理解がないと話になりません。
一部の予備校などでは「数学の学力がなくても入れてしまう」大学があるとした上で「その場合は入学後に数学のケアがあるかチェックして出願するように」といったアドバイスをしているようです。
これはちょっと問題だと思います。この種の回り道というのは、多くのケースでかなりキツイ結果になる可能性があるからです。
データサイエンスというのは、ともすれば利害が先にあって、その利害に基づいたバイアスを使って「人間の心理を突いた説得の論理」として歪められがちな「統計」というツールを、より客観性のある論理と、十分なデータで実用化しようという学問です。
つまり高性能化したコンピュータを使って、世界を変えることができる、そんな「ツール」だとも言えます。そんな概念に魅力を感じ、大学でしっかり学んで、4年後の世界、つまり今よりも更にコンピュータのハードもソフトも高度化した時代に活躍しようと考えるというのは、良いことです。
問題は、そうした学科に「数学なしでは入れてしまう」ことではありません。そうした志を持った若者が、高校時代に数学という科目に距離を感じてしまい、必要な訓練が十分に受けられないで大学に来てしまうことだと思います。いずれにしても、データサイエンス専攻に「数学が苦手でも入れてしまう」というのは、もう少し良い形でできないものでしょうか。
この記事は約
NaN 分で読めます(
NaN 文字 / 画像
NaN
枚)