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伏木悦郎のメルマガ『クルマの心』
第533号 2024.1.6配信(号外)
●現実社会をどれだけ肌感覚で理解しているか?
俯瞰の目が今こそ必要とされる時もない。原理的に前を見るしか
ない(この世に出てからと『これから』の洋々たる未来の関係か
らも明らかなように)若い世代にとって、振り返る過去は相対的に
限られている。
事実として学校時代は、温室のようなリアリティを欠く別世界と
いう他ない。最終学府の大学卒ですら、そのまま実社会に通用する
即戦力になる例は稀だ。画一的な価値観に基づいて皆が同じ方向を
見ているという点で"ALLorNOTHING"になりがちだ。「今まで通り」
に拘るかぎり、非常事態に対応するには脆弱と言わざるを得ない。
多様性が当たり前の現実社会をどれだけ肌感覚で理解しているか。
情報化時代ということでメディアを通じて”知っていること”は多
くなっている。だが、専門化/細分化して縦割りが進んで行く中で、
各人が自らの身体を通じて理解していることは意外に少ない。伝聞
ベースで『分かったつもり』になっているのが現実であり、事実と
のギャップは広がりこそすれ、縮まることはないだろう。
暗記能力が高い=頭が良いと思っていると、ここ数年で飛躍的に
精度を高めた生成AI(Artificial Intelligence=人工知能)に
完膚無きまでに打ちのめされることになる。時代は『技術の進歩』
によって常にアップデートされている。少なくとも、18世紀の産業
革命以後の近代においては、そう結論づける他はないと思う。
齢70を過ぎて得意満面になってする話でもないが、つい先頃まで
この"当たり前の事実"に気づけずにいた。ここ今に至っては現時点
から振り返りつつ語る他ないと思っている。人は、未知については
恐れおののくが、すでに過ぎ去った事柄は比較的冷静に論じること
ができる。歳を重ねるということはすべてが未知に留まる若い世代
には到底立ち入れない世界を見てきたことを意味する。
現下の生成AIの飛躍的進化は、量子力学やら何やらという難し
い科学的学問の成果であるようだが、その恩恵に浴している高感度
の人(Early Adaptor)のパーセンテージは多く見積もっても10%。
実際には日本の総人口の1%(約125万人)にも満たないだろう。
AIが普及するか否かは、優れたUI(User Interface)の出現
に掛かっている。それは電話(有線)からモバイルフォン、アナロ
グからデジタルと進み、インターネットという画期的な情報インフ
ラと合流して進歩を続けた変遷を知る者として断言できることだ。
パーソナルコンピュータ(PC)とモバイルフォンが一体化した
スマホ(スマートフォン)の登場で一気に花開い新境地は、全世界
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