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週刊金融日記 第610号 人生に必要なものはすべて日本のコンビニにあった、香港の中華Sushi

藤沢数希メールマガジン「週刊金融日記」
// 週刊金融日記 // 2024年1月25日 第610号 // 人生に必要なものはすべて日本のコンビニにあった // 外国人投資家日本株買い加速 // 東京の鮨が変わってしまった件と香港の中華Sushi // 香港経由で当日ビザで深セン入国できました // 他 こんにちは。藤沢数希です。 共通テストも終わり、志望校が最初から固まっている受験生はさっさと願書を出したと思いますが、河合塾や駿台のリサーチを見て、どこが受かりそうか必死に考えながら、これから出す受験生もいると思います。 ●2024年度共通テストリサーチ ボーダーライン一覧(河合塾) https://border.keinet.ne.jp/ ここ数年の入試シーズンを見ていて思ったのですが、割と共テのリサーチは当てにならないと思います。と言うのも、あれは共通テストが終わった直後に受験生たちが自己採点の結果を入力するのですが、その集計結果が一回出てくるだけです。それを見て、みんな行動を変えるので、逆に行ったりします。たとえば、足切りが厳しい医学部とか、難関国立大学の後期試験とか、当然ですが足切り以下の点数で出すと無駄撃ちになるので受験生は避けたいわけです。それで、リサーチで足切り点が低く出ていると、これはイケる!とみんなが一斉に飛び込むので、足切り点がガンと上がったりします。逆に、リサーチで高すぎる足切り予想点が出ると、みんなあきらめるので、意外と低くなったりする、みたいなことが起こりますね。 国立大学でも、東大なんかは締切まで毎日出願状況を公表するのですが、東大は東大であることが最大の魅力なので、ここ何年かは科類間の裁定(=アービトラージ)が活発に行われております。文一、文二、文三の出願状況を見て、最後の最後に一番難易度が低そうなところに出す一団がいます。これもあって、文一より文三の方が難しい年があったりします。最近は経済学部人気&法学部不人気のトレンドで、文二の合格最低点が一番高くなることが多いようですが、やはり微妙な差で、ほぼ横一線に並んでいると言っていいでしょう。いま大企業で偉くなっている中高年の人たちが受験生の頃は、ジャパン・アズ・ナンバーワンであり、日本は官僚が統治している国でしたから、数多のキャリア官僚を輩出する法学部に進める文一が圧倒的だったようです。時代は変わりましたね。 理一、理二の間でもかなり裁定が効いていますが、理系はさすがにやりたいことが決まっている受験生が多く、理一(工学、主に物理・数学系の理学)、理二(化学・生物系の工学・理学、農学)、理三(医学)では、理三>理一>理二の偏差値の順がほぼ固定化されています。しかし、進振りで理一と理二はある程度は交互に跨ぐことができるので、理一と理二の難易度差も縮小傾向です。 ●東京大学入試(文系)の合格最低点の推移 年度 |文一     |文二     |文三 2019年|351.8(64.0%)|358.1(65.1%)|342.7(62.3%) 2020年|343.9(62.5%)|337.6(61.4%)|338.9(61.6%) 2021年|334.8(60.9%)|337.9(61.4%)|336.6(61.2%) 2022年|302.6(55.0%)|306.1(55.7%)|305.4(55.5%) 2023年|343.9(62.5%)|342.4(62.3%)|340.3(61.9%) 一方、一橋大学なんかは情報開示が悪く、中間で一回だけ集計が出るだけで、東大のように裁定取引が効率的に行われず、たまにスイングしました。2022年の共通テストが一気に難化した年などは、みんな弱気になって、やや偏差値の高い経済学部からちょっとだけ入りやすい商学部の方に、みんなが一斉に志願を変えたので、フタを開けてみたら、経済学部がかつてないほど低倍率で穴場になり、逆に商学部が大変になりました。一橋大学は、文系単科大学で最難関で、マーケットストラクチャーの研究者とかいると思うんですけど、自分のところの大学入試の出願状況さえまともに情報開示できないショボさです(※)。 『週刊金融日記 第508号 上位医学部と東大と一橋の出願をめぐる受験生たちの駆け引きがドラマチック』 https://www.mag2.com/archives/0001505790/2022/2 ※このメルマガの原稿を書き終わってから、大学のサイトをチェックしたら、僕が旧Twitterで昔ディスっていたからか、今年はちゃんと中間集計が締切までに2回発表されるようになっていました。一橋大学では他の学部の授業も自由に取れるので、これで学部間の難易度差の裁定が行われて、東大文系と同じように、だいたい平準化するでしょう。 ●一橋大学 令和6年度一般選抜 出願・選抜状況 https://juken.hit-u.ac.jp/admission/info/data/entry2024.html ★他の話題としては、たとえば慶應経済は数学と英語と小論文(A方式)か世界史と英語と小論文(B方式)があるのですが、昔は数学受験が受かりやすいなどと言われていました。しかし、最近は一般入試ガチ勢が中学受験の算数偏重を引き継いでか、みんな数学をやり込んでいるので、むしろ数学受験の方が激戦で、そのトレンドがさらに加速しているようです。京大経済学部は理系も受けられるのですが、最近は受験ガチ勢が理系に偏っているので、理系で数3までやって範囲も広いのに、入試の偏差値も高く、お得感がまるでありません。 https://twitter.com/kazu_fujisawa/status/1750080068444131812 ★以上、東大、一橋、慶應と日本のビジネスエリート輩出校について書きましたが、最後は、医学部の話題です。岡山大学医学部は、中国・四国地方の医療関係の中核大学で、かなり格が高いようです。今回、女性の体の神秘であるFemale squirting(潮吹き現象)の謎をついに解明したそうです。さすがですね。動画も公開されていてすごいです。これは(イグ)ノーベル賞の最有力候補ではないでしょうか。 https://twitter.com/kazu_fujisawa/status/1750104344798941556 ★まあ、受験生は志望校に受かるかどうかで天国と地獄のように思ってがんばっていると思うのですが、キャリアという面で見たら、ある程度の大学に入っておけば、医学部以外は、さほど変わりません。身も蓋もありませんが。 https://twitter.com/kazu_fujisawa/status/1750054051629379894 『コスパで考える 学歴攻略法』 https://amzn.to/3fXY2kl https://a.r10.to/hUHpZS 僕はトレーダーという職業柄か、子供の大学受験のようなものでも、いつもこうやって新しい情報がどうやって市場に織り込まれていくのか、という視点で考えているのですよね。大学受験では、難易度=偏差値が、株式市場での価格みたいなものです。その偏差値が取引の対象になっているわけですね。

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