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池田清彦のやせ我慢日記 vol.256 -人為的地球温暖化論は世紀のペテン1-

池田清彦のやせ我慢日記
池田清彦のやせ我慢日記 / 2024年1月26日発行 /Vol.256 INDEX 【1】やせ我慢日記~人為的地球温暖化論は世紀のペテン1~ 【2】生物学もの知り帖~クマによる被害はなぜ増えたのか~ 【3】Q&A 【4】お知らせ 『人為的地球温暖化論は世紀のペテン1』  2月に出版予定の『日本を危機に陥れる陰謀の正体』(宝島SUGOI文庫)の分担執筆を頼まれて、渡辺正『「気候変動・脱炭素」14のウソ』(丸善出版)を読んだ。渡辺先生は人為的地球温暖化のウソを暴くことに関しては日本の第一人者で、同じく丸善出版から『「地球温暖化」神話―終わりの始まり』(2012)と『「地球温暖化」狂騒曲-社会を壊す空騒ぎ』(2018)を出版されている。人為的温暖化のウソのからくりが、手に取るように分かりやすく書かれている。是非、読んでみてほしい。  今度の本は渡辺先生の人為的地球温暖化批判論のエッセンスを述べたもので、私にとっては初めての知見もあり大変興味深く読んだ。地球の気候変動は自然現象だということは合理的な頭脳の持ち主ならば自明である。例えば、この2000年くらいの間にも、地球の気温は上がったり下がったりしている。  紀元前250年~紀元350年まではローマ温暖期で、古代ローマ帝国や漢王朝が栄えた。温暖化して作物の収穫量が増えたのが原因である。一転して4世紀後半からは寒冷期に入った。北方に住んでいたゲルマン民族が、飢餓に直面して温暖な耕地を求めて南下して(民族大移動)、西ローマ帝国が滅亡した一因となった。この中世寒冷期は8世紀まで続いた。900年から1300年頃は中世温暖期になり、気温が0.5℃から1℃上昇したようだ。グリーンランドの少なくとも沿岸部が、文字通り緑に覆われていたのもこの時期で、バイキングがグリーンランドに移住して農業を行っていた。  14世紀からは小氷期になり、19世紀半ばまで、寒い時期が続いた。欧州でも日本でも飢饉が多発したのもこの時期である。小氷期の最大の原因は、黒点がなくなり太陽の活動が弱まったことだ。特に、1645年から1715年にかけては、マウンダー極小期と呼ばれ、太陽の黒点がほとんどなくなった。1693年に欧州を襲った大凶作では数百万人の死者が出たと言われている。  太陽の黒点と寒冷化の因果関係を明らかにしたのはデンマークのスベンスマルクで、その理屈は次のようなものだ。地球にやってくる宇宙線が大気をイオン化して凝集核が生じ、そこから水滴が成長して雲が形成されると、太陽光が地球表面に届く量が減り、地球は寒冷化する。太陽の活動が活発になり(黒点の数と太陽の活動の強さは比例する)、太陽磁場が強くなると、地球に届く宇宙線を攪乱して、雲が減り、地球が温暖化する。

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