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統一教会「内部文書」にみる自民党工作(上)/有田芳生の「酔醒漫録」第55号

有田芳生の「酔醒漫録」
▼ 第55号 2024/1/26 ━━━━━━━━━━━━━━━━━ 有田芳生の「酔醒漫録」 *毎週金曜日発行* ━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◆目次 1・「評言独語」──統一教会「内部文書」にみる自民党工作(上) 2・「酔醒漫録」──1月19日〜1月25日 (韓国映画『ビニールハウス』、国立映画アーカイブ、ナチス刑法179条など) ★発売中の有田芳生著書★ ・『改訂新版 統一教会とは何か』(大月書店) http://www.otsukishoten.co.jp/book/b610995.html ・『北朝鮮 拉致問題 極秘文書から見える真実』(集英社新書) https://www.shueisha.co.jp/books/items/contents.html?isbn=978-4-08-721217-4 ━━━━━━━━━━━━━━━━━ ━━━━━━━━━━━━━━━━━ 1・「評言独語」──統一教会「内部文書」にみる自民党工作(上) ━━━━━━━━━━━━━━━━━ ▼安倍晋三元総理が銃撃されて政治・社会問題となった統一教会と自民党との密接な関係は、テレビ、新聞、週刊誌でおびただしく報道され、いまや再び風化に向かいつつある。あの報道を振り返れば、どの議員が教団のどの集会に出ていたとか、『世界日報』の購読をしていたかといった、いわば「ウォーリーを探せ」的な報道に終始した。私は物理学者の武谷三男さんの「三段階論」に照らして、それは「現象」「実体」「本質」のなかの「現象」報道だと見ていた。もちろん自民党と統一教会の隠された関係が浮かび上がり、議員たちの右往左往する姿が報じられたことには大いに意味があった。だが歴史的に自民党に教団がどのように接近していったのか。その実態が「内部」から明らかになることはなかった。統一教会は政治組織の顔として国際勝共連合を組織した。その目的は、一方では共産党を攻撃することであり、一方では自民党政治家に接近、工作することだった。1980年代に「勝共推進議員」が組織されたことが典型だ。 ▼いざとなれば統一教会を救ってくれる。その議員を国会でも地方でも増やしていくことが至上課題となったのだ。ここに「VISION2020 成就のための戦略」という内部文書がある。「FFWPU」(世界平和統一家庭連合=統一教会)が、2013年から2015年までの総括をし、2020年以降の目標を示したものだ。「国政に影響を与え、天意とともにある日本の創生」を目指していた。興味深いのは「5つの危機」だ。信者の平均年齢は54・7歳。5つとは……

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  • 有田芳生の「酔醒漫録」
  • 2000年からブログに日記を書いてきました。思いは「私家版現代史の記録」です。「日記は書いておかないと不安なんだよ。忘れてしまうと消えてしまうから、自分が生きていて、あのころはどうだったというのを忘れるのが不安なんだよ」(渡辺京二『幻のえにし』)。同感です。私が綴るのは、メディアを中心に仕事をする一個人の眼から見た世界と日本です。「酔醒」は、酔ったり醒めたりという意味で、中国の「梁書」に記述されています。「漫録」は随筆の意味です。人生は、酒を飲まずとも「酔ったり醒めたり」の繰り返し。同時代に生きる皆さんにリアルな情報を提供、共有し、しなやかで強靭な精神をお互いに涵養していきたく思います。
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