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WRM:20240129:「まとまったものを書くためのアプローチ」「UpNoteの何が嬉しいか」「本を買いに遠い町まで」

Weekly R-style Magazine ~読む・書く・考えるの探求~
Weekly R-style Magazine ~読む・書く・考えるの探求~ 2024/01/29 第694号 _________ 今週の目次 ○「はじめに」 ○「まとまったものを書くためのアプローチ」 ○「UpNoteの何が嬉しいか」 ○「本を買いに遠い町まで」 ○「おわりに」 _________ ――――――――――――――――――――――――― ○「はじめに」 少し前に、このメルマガでも紹介した「トランジッション・ノート術」noteで紹介した記事が、1000を越えるファボをいただきました。 ◇飽きっぽい人のための「トランジッション・ノート術」|倉下忠憲 https://note.com/rashita/n/ndc24eed24866 長くnoteを使っていますが、4桁のファボをいただいたのはこれがはじめです。こんなこともあるんだな〜とちょっと驚いております。 で、記事にいただいたコメントなどを見ていても思うのですが、現代では「ゆるいノウハウ」が切実に求められているのかもしれません。やり方がかっちり決まっていて、そこからの逸脱が許されていないノウハウではなく、ルールの数が少なく、その運用もざっくりしているノウハウです。 振り返ってみると、これまでのノウハウは、ガッチリ固まりすぎているものが多かった気がします。たしかに運用が細かく決まっていれば、利用者が頭を使う割合は減るわけですが、そのぶん自由度や裁量も減り、「ノウハウに自分を合わせなければならない」度合いが高まってしまいます。それはちょっとしんどいですよね。 ある程度の「ゆるさ」を持つノウハウであれば、人ぞれぞれが自分に合わせて調整していけますし、後から変更することも容易です。その意味では、「ロギング仕事術」も同様にゆるいノウハウと言えるかもしれません。 というわけで、ノウハウを主として、それを使う人を従とするような「人に厳しい」ノウハウではなく、その人が自分なりの動きをつくっていけるような「人にやさしい」ノウハウを今後も提案できたらと思います。 〜〜〜生産性〜〜〜 私は「生産性向上」のお題目があまり好きではないのですが、だからといって低生産性な状態を好んでいるわけでもありません。単に、「生産性を上げたら、すなわち正義」という考え方が単純すぎるだろうと思っているだけです。 で、たまたま読んでいた本に、1970年の日本では週休一日制の職場が全体の7割だった、という記述が出てきました。2024年の日本とは大きく違う状況です。今では週休二日がほとんどで、週休一日半みたいな職場はあまり選ばれないでしょう。 すると──ごく単純に考えれば──、1970年に比べて労働者の勤務時間は大きく減少していると言えます。つまり「生産性」が上がったわけです。これはハッピーな帰結でしょう。 しかしながら、1970年から2000年くらいまでで週休二日制が普及していたとして、そこからさらに20年以上経って、私たちの労働は週休三日になったかというと、そうはなっていません。同じ理路を適用するならば、「生産性」はそこからほとんど上がっていないことになります。 もちろんこれはものすごく単純化した話です。産業構造、海外との貿易、労働者の総数、労働に関する法律、賃金形態、税金、……。さまざまな要素が絡み合っているので、週休三日になっていないから生産性は上がっていないと断じるのは難しいでしょう。 とは言え、ごく率直に自身の体験や身の回りの事情を振り返ってみると、ある時点から「生産性」はほとんど上がっていないような感じは受けます。むしろ、上がっていないだけでなく、下がっていることすらありそうな雰囲気です。 イヴァン・イリイチは「反生産性」という概念を提出していますが、まさにそう呼ぶにふさわしい事態が生じているのかもしれません。 でもって、黎明期の「ライフハック」はそうした事態に対する一つの抵抗であったのだろうと今は思います。ただ、思想的にそこまで深まることがなく、単なる「ノウハウ業のブーム」として消費された結果となりました。 だから──それをどんな名前で呼ぶかは別にして──もう一度「ライフハック」的なものについて検討してみたいと考えています。

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