━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
渡辺勝幸の日本一元気になるメールマガジン
第4882号 令和6年1月26日(金)発行
発行部数 9,694 部
【「友崩れ」と「裡崩れ」】
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【「友崩れ」と「裡崩れ」】
以上が象山の意見ですが、
それについてわたくしが考えるには、
敗軍に「友崩れ」「裡崩れ」ということがあり、
友崩れとは、前軍が敗走して後軍へなだれかかるため、
後軍も止まっていることができず、いっしょに崩れることであり、
裡崩れとは、前軍がまだ敵と戦を始めないうちに、
後軍から崩れ始めて、前軍もいっしょに崩れることをいうのです。
今、『書経』には前軍が後軍に攻めかかり、
そのために大敗して退いたとありますから、
前軍が崩れただけで後軍は踏み止まったのであって、
もちろん裡崩れの様子は全くなく、
また友崩れよりも一段と後軍が堅固であったのです。
さらに、「血流れて杵を漂はす」といったのは、
兵法に、前軍が崩れて後軍になだれかかって来た時には、
後軍でこれを打ち捨てに切り捨てることがあるから、
後軍を攻めたのも、血が流れたのも、
恐らくはこのためであったと思います。
わたくしは、以上のことを考えて、
朱子の註の誤っていること、
まことに象山の意見の通りであることを理解したのです。
ということを約150年前の日本において、
政治犯として牢屋の中にありながら、
この記事は約
NaN 分で読めます(
NaN 文字 / 画像
NaN
枚)