第96回:宝の山!役所の「とりまとめ」の読み解きポイントを徹底解説
目次
1.「読み解きポイント」を熟知すれば、「とりまとめ」は宝の山となる
2.政策立案から成立への流れにおける、「審議会・検討会」の位置づけ
3.政策立案から成立への流れにおける、「とりまとめ」の位置づけ
4.とりまとめの内容が政策にならないのはどんな場合か
5.とりまとめの読み解きポイント①「新たな議論の場の設置がありうるか」
6.とりまとめの読み解きポイント②「議論する余地のあるものは何か」
7.とりまとめの読み解きポイント③「新しく予算がつくものはあるか」
8.まとめ 「とりまとめ」は宝の山
1.「読み解きポイント」を熟知すれば、「とりまとめ」は宝の山となる
政策提言を志す読者のみなさまに、ぜひ知っていただきたい宝の山があります。それが、「とりまとめ」資料です。
省庁による政策案を検討・審議する「検討会」や「審議会」といった会議は年中開催され、最近はYouTubeで会議を配信するケースもあります。そのたびに、多くの資料がHPなどで公表されます。
この資料の中で、どこに着目すべきか。お勧めしたいのが「とりまとめ」です。文字通り、検討会や審議会の議論を最終的に「とりまとめ」たものです。
(厚労省ホームページより。黄色丸筆者 )
上図は「医薬品の販売制度に関する検討会」に関する厚生労働省のページのスクリーンショットです。
黄色の丸のところに「とりまとめ」と書かれています。ここをクリックすると、資料を見ることができます。
● 医薬品の販売制度に関する検討会とりまとめ(令和6年1月12日)
「とりまとめ」は、要は会議の最終的な結論です。そこに記載された内容は、将来の政策に直結する可能性が高いです。内容を読み込んで動くことで、政策として成立するのに先んじて様々なアクションを起こすことができます。
ただし、資料を普通に読むだけでは、その可能性を十分に活用できません。見過ごしてしまいそうな、ちょっとした文章や表現に、今後の政策の動きを示す重要な手掛かりがあったりするからです。
また、とりまとめに書かれたとしても、その後の検討によって無くなってしまうものもあります。逆に言えば、とりまとめに掲載された政策案であっても、その後、実現する前にブレーキをかけたり、修正を入れたりすることも不可能ではないということです。そのためには、どのタイミングで、どのような人を通じて働きかけるべきなのでしょうか。
今回のテーマは「とりまとめ」を最大限活用するためのポイント。前掲した「医薬品の販売制度に関する検討会とりまとめ」を題材に、その「読み解き方」を徹底解説します。また、とりまとめに掲載された内容が実現しないパターンについても解説します。
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