「エレベータで威張る管理職は過去形」
エレベーターに乗る際、先に上司にボタンの前に立たれてしまったら、どうすればよいのか、そんな「どうでもいい」問題について「マナー講師」が答えるといった記事をよく目にするようになりました。ちなみに、この種の「マナー講師」というと、CA出身の方が多いようです。日本のキャリアのCAというと、サービスと保安に責任を持ちつつ、経営全般を担う人材を目指すような専門職のはずで、どこか感覚がズレていると思うのですが、どうなのでしょうか?
それはともかく、
「エレベーターで上司にボタンの前に立たれてしまいました。どうすればよいですか?」
という問いには、「マナー講師」的には次のような「正解がある」のだそうです。
1)無理やりに上司との場所を入れ替わろうとするのは、周囲に迷惑なのでダメ。
2)かといって、上司に開ボタンの操作をさせるのは絶対的なタブー。
3)なので、自分が先に降りてから、「どうぞ」と上司が降りるまで笑顔でドアを押さえる。
というのが「正解』なのだそうです。冗談ではありません。現在の管理職というのは、21世紀になってから管理職になった人がほとんどです。ですから、昭和や封建時代の人ではありません。また、昭和の時代に理不尽な上下関係に苦しんだ経験があっても「虐待の連鎖」は自分の世代で止めようと考えている人は多いと思います。そうした時代において、この種の「エレベータのボタン操作は下座」だとかいう、アナクロな発想で若い人を洗脳するのは止めていただきたいと思います。
もっと言えば、具体的な弊害があります。
4)管理監督は機能であって、全人格的な支配非支配ではないという「当たり前の感覚」をもった管理職なら、自分がボタン操作をするという善意を自然に持っていると思います。この種の「マナー」は、そうした善意を踏みにじる行為になります。
5)若手がスマートに行動しても、封建的な上下関係を上司が許容しているというムードはミエミエです。社内の他部署はもちろん、社外の人、外国出身の人などがそのエレベータに乗り合わせていたら、恥をかくのは結局はその上司になります。
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