第300号(2024年2月2日号)
『最後の調停官 島田久仁彦の無敵の交渉・コミュニケーション術』
はじめに:
いつもメルマガ『最後の調停官 島田久仁彦の無敵の交渉・コミュニケーション術』をお読みいただきありがとうございます。
おかげさまで発行より第300号を迎えることになりました。
今後ともよろしくお願いいたします。
さて、今週号の内容ですが、まず【1】の
『無敵の交渉・コミュニケーション術』のコーナーでは、今週より
【危機管理の交渉術(Crisis Negotiation】についてお話しします。
「戦争前夜ともいわれる隣国との緊張の高まり」といったような紛争の調停ケースから「
誘拐犯や銀行強盗犯とのギリギリの交渉」といったケースを担当するのがCrisis Negotiatorですが、
このような極端なケースを扱う際に重要となる教訓は、実はビジネス交渉においても大いに役立ちます。
『商品のリコールへの対応』
『自社の株価の急落を止める・緩やかにするための対応』
『災害時の退避策やコロナ発生時の対応策(広報・コミュニケーション戦略)の立案と実施』
『風評被害や偽の情報に対するリスクマネージメント(危機管理)』
など、迅速かつ適切な対応が必要となるケースは、まさにCrisis negotiation and communicationの出番です。
焦るなといっても無理かもしれませんが、危機発生時にどのような手順で対応し、
どのような点に気を付けるべきかを前もって知り、準備しておけば、
実際に望まざる事態に陥った場合にも大炎上を避け、逆にチャンスに変えることができるかもしれません。
初回となる今週号では【危機管理のための交渉戦略】についてお話いたします。
その注目の内容は、本編をお楽しみに♪
次に【2―国際情勢の裏側】ですが、今週もいろいろな動きを見せています。
一つ目は【ヨルダン北東部の米軍拠点へのドローン攻撃とアメリカの報復見込み】についてです。
10月7日にガザでの衝突が発生して以降、初めて米軍に人的被害が出た事件です。
1月28日、3名の米軍兵士が殺害され、40人を超える兵士が負傷するという事態が起き、
アメリカ政府は即時に断固とした報復措置を取ることを宣言しました。
今後、『いつ、どの程度の報復を、誰に対して行うのか』によって国際安全保障上の流れが大きく変わるため、
本件は注意深く見たいと思います。
2つ目は、これもガザ情勢関連ですが【UNRWAの職員が10月7日のハマスによるテロ攻撃に関与していた】という情報です。
UNRWAは27756名の職員を抱え、そのほとんどがパレスチナ人ですが、
そのうち、少なくとも190名が10月7日のハマスによる攻撃に関与し、
その内、12名がハマスのメンバーであったという衝撃的な情報が入ってきました。
国連の面子はつぶされ、国際社会におけるハマスへの非難は再度強化されることになりますが、
ガザは人道支援のまとめ役をここで失うことになり、その影響は甚大ではないかと思います。
3つ目は【ウクライナの希望の消滅の可能性】についてです。
EU加盟交渉のスタートを勝ち得たウクライナ政府ですが、加盟条件の軸となる『汚職問題の改善と政府の透明性の向上』は
これまでのところあまり成果を上げておらず、それが支援継続に対する欧米諸国の状況を難しくしています。
アメリカが実質的に支援をストップする半面、地続きで影響が直接及びかねない欧州各国は、
国内からの非難に対応しながら、ウクライナへの追加支援を表明しています。
ただ、汚職の蔓延はその動きを後退させかねず、今後、ウクライナが孤立し、暴発する危険性が懸念されます。
4つ目は【平和条約交渉が頓挫し、新たな国際紛争の火種になりかねないアゼルバイジャンとアルメニアの相克】です。
詳しくは「はじめに」と本文を見ていただければと思いますが、ハンドリングを誤れば新たな国際紛争に発展し、
現行の紛争を巻き込んで世界戦争に発展する起爆剤になるかもしれません。
いろいろと紛争が相互作用を持ち出して、国際安全保障環境が複雑化する中、地域の大国が、世界の大国に代わって、
問題の解決の糸口を探り当てることが出来るかもしれません。
今回【2-国際情勢の裏側】では、
【地域大国が左右する国際情勢の行く先】
と題してお送りいたします。
今回のメルマガも長くなりましたが、どうぞ最後までお付き合いくださいね。
それでは今週号、スタートします★
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