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2024.02.05発行 NO:0120
家畜人ヤプー倶楽部(家畜人ヤプー全権代理人 康芳夫)
ブラック・ポルノグラフィー 家畜人ヤプー 沼 正三
クララと麟一郎・・・『血と薔薇』1969年 No.4より
毎月 第1月曜日(祝祭日・年末年始を除く)発行
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◆家畜人ヤプー
昭和四十四年
『ぜひ、あれを見つけ給え。あれこそは戦後最大の傑作だよ。
マゾヒズムの極致を描いたまったく恐ろしい小説だ。
出版する価値のある本だ』
そう三島由紀夫は小生に熱を込めて家畜人ヤプーの内容を語りつづけた。
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◆ブラック・ポルノグラフィー 家畜人ヤプー 沼 正三
・・・『血と薔薇』1969年 No.4より(2)
第一章 空飛ぶ円盤の墜落
二 クララと麟一郎
ー九六X年夏、西独ヴィスバーデンに近いタウヌスの山中のことである。山の
中腹をゆるやか流れる渓流を、パンツひとつまとわぬ素裸の男が泳ぎ下ってい
たが、にわかに中流に突っ立って、
「やっ、何だ、今のは!」
と目を見はりつつ川下をながめた。空気をつんざく音響とともに、川下の岸近
い小屋の近くに、何か輝く物体が墜落したのだ。
女の悲鳴がその方角から聞えてきた。
「クララ!」
男は岸に飛び上った。黄色い皮膚をしている、日本人であった。
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