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日本半導体「絶対優位へ」、インフラ・人材・技術力の3拍子 生きる「敗者の経験」

勝又壽良の経済時評
  • 2024/02/05
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象徴するTSMC熊本工場 ラピダスは復興シンボルへ 周回遅れが最先端へ躍出る NTTは光半導体で世界初 半導体受託生産の世界最大手、TSMC(台湾積体電路製造)熊本工場は、2月24日に開所式を行う。22年4月に工事着工以来、18ヶ月という最速で竣工した。23年末には機械搬入を始めており、24年末には製品出荷の運びである。 熊本工場建設を担ったのは、鹿島である。国策半導体ラピダスの北海道・千歳工場建設も鹿島が行う。ラピダスは、23年9月に起工式を済ませており、25年4月には「2ナノ」(10億分の1メート)の次世代半導体試作品を発表予定だ。27年から、量産化という過密スケジュールである。このように、ラピダスもTSMCに負けないスピードで取組んでいる。この裏には、日本半導体産業の持つ潜在的成長力の大きさが、いかほどであるかを窺わせている。 1980年代後半、世界半導体の半分強の生産シェアを誇った日本半導体は、米国の半導体戦略に巻き込まれて力を失った。現在のシェアは10%見当で、「40ナノ」半導体程度の生産である。だが、潜在的な半導体生産能力を生かし、米国IBMや海外の半導体研究所と提携して、一挙に「2ナノ」半導体へと飛躍する構えだ。「腐っても鯛」という言葉どおりに、日本半導体の擁する総合的技術力の高さを証明しようとしている。 象徴するTSMC熊本工場 TSMC熊本工場建設過程は、TSMC本社を驚かせるに十分であった。工事は、新型コロナウイルス禍でも異例の24時間体制で行われた。熊本県知事の蒲島郁夫氏は、「10年近くかかってもおかしくない工事と聞く。かつてないスピード感だ」と語ったほどである。

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  • 勝又壽良の経済時評
  • 経済記者30年と大学教授17年の経験を生かして、内外の経済問題について取り上げる。2010年からブログを毎日、書き続けてきた。この間、著書も数冊出版している。今後も、この姿勢を続ける。
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