象徴するTSMC熊本工場
ラピダスは復興シンボルへ
周回遅れが最先端へ躍出る
NTTは光半導体で世界初
半導体受託生産の世界最大手、TSMC(台湾積体電路製造)熊本工場は、2月24日に開所式を行う。22年4月に工事着工以来、18ヶ月という最速で竣工した。23年末には機械搬入を始めており、24年末には製品出荷の運びである。
熊本工場建設を担ったのは、鹿島である。国策半導体ラピダスの北海道・千歳工場建設も鹿島が行う。ラピダスは、23年9月に起工式を済ませており、25年4月には「2ナノ」(10億分の1メート)の次世代半導体試作品を発表予定だ。27年から、量産化という過密スケジュールである。このように、ラピダスもTSMCに負けないスピードで取組んでいる。この裏には、日本半導体産業の持つ潜在的成長力の大きさが、いかほどであるかを窺わせている。
1980年代後半、世界半導体の半分強の生産シェアを誇った日本半導体は、米国の半導体戦略に巻き込まれて力を失った。現在のシェアは10%見当で、「40ナノ」半導体程度の生産である。だが、潜在的な半導体生産能力を生かし、米国IBMや海外の半導体研究所と提携して、一挙に「2ナノ」半導体へと飛躍する構えだ。「腐っても鯛」という言葉どおりに、日本半導体の擁する総合的技術力の高さを証明しようとしている。
象徴するTSMC熊本工場
TSMC熊本工場建設過程は、TSMC本社を驚かせるに十分であった。工事は、新型コロナウイルス禍でも異例の24時間体制で行われた。熊本県知事の蒲島郁夫氏は、「10年近くかかってもおかしくない工事と聞く。かつてないスピード感だ」と語ったほどである。
この記事は約
NaN 分で読めます(
NaN 文字 / 画像
NaN
枚)