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S041号『巨星・西口司郎氏逝去す』

松宮康生の『最強格闘技解体新書』
最強格闘技解体新書/ S041号『巨星・西口司郎氏逝去す』 2024.02.05 ※メルマガのバックナンバーはまぐまぐサイトから購入可能です S041号 『巨星・西口司郎氏逝去す』 武道における師が、芦原英幸先生であるなら、物書きとして 成長するのを導いてくれた師が、西口司郎先生であった。 その西口先生が、1月26日亡くなられた。ただ悲しい。 人が死ぬのは、定めであるから避けることはできない。 でも早すぎると思われる死には、多くの悲しみが残る。 西口先生が最後に私のために描いてくださったのが 「ケンカ十段と呼ばれた男芦原英幸」 であった。この本の画を西口司郎先生が、本の題字など装丁 を多田和博先生が手掛けてくださった。 私のいくつかの本は、この2人の手によってつくられたので あった。西口先生のイラスト、多田先生の装丁。 この2人の息の合った仕事が、それまでにない斬新な本を 産んだとも言える。 西口先生のところには、書籍になる前の原稿をプリントアウト したものが出版社から送られてくる。 西口先生は、その原稿を丁寧に読む込む。それから作画にかかる のが、常だった。「作家さんが書いた作品に色を添えるのが私の仕事 だからね。その作品を隅々まで読まないといい色は添えられないん だよ。」先生は、そんなことを言った。 高村薫さんの「照柿」の時は、分厚いプリントアウトされた分厚い原稿 を抱えて、喫茶店でタバコをくゆらせながら、楽しそうに原稿を呼んで おられた姿が思い起こされる。 ギャンブルに強い黒川博行氏とも仲が良く、多田先生の書斎というか 壁一面に自分が手掛けた作品がところ狭しと壁の本棚に収められた 部屋で、3人で語りあっていたこともあったそうだ。黒川氏や高村氏 とは、ニアミスすることはあったが、実際にお会いして話をしたこと はない。ちなみに黒川氏も高村氏の書籍も私は、すべて読んでいるが。 先日のお通夜の席では、作家の高村薫氏、黒川博行氏の顔もあった。 黒川氏は、奥様もいっしょであったようだ。 知る人が、一人一人と旅立っていくのは、寂しいものである。 私も、そしてこのメルマガを読んでいる人々にもいつか旅立ちの時は 訪れる。その最後の瞬間まで、私はあがき続けるつもりだ。 まだまだ死ぬわけにはいかない。

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