メルマガ読むならアプリが便利
アプリで開く

【痛くない死に方 2024年第5号】 病院に行ったらいきなり「ステージ4」診断…ターボ癌の可能性は?

長尾和宏の「痛くない死に方」
  • 2024/02/03
    • シェアする
2024年 第5号 【長尾和宏の痛くない死に方】 長尾和宏です。あっというまに1月も終わろうとしています。 暦の上では今日から立春。しかし今日から明日にかけては、太平洋沿岸でも雪が降るらしい。 早く春が来てほしい。どんよりした空を見上げながらそう願う。 能登半島地震のニュースも減ってきた。しかし、ポツポツと震災関連死の報道を見かける ようになった。 【震災関連死】とは…? 地震や津波などによる直接的なものを原因とするのではなく、災害によるけがや避難生活 による健康状態の悪化が原因で亡くなること。この概念は、1995年の阪神・淡路大震災 によって生まれたもの。阪神・淡路大震災での死者数は6434人であるが、そのうちの 関連死(震災関連死)として認定された人は、約900人(内閣府資料より)に上る。 もっと行政的な目線でいえば、「震災関連死」として、死因によらず、災害との因果関係が 認められれば、災害弔慰金など、何かしらの支給対象になることが多い。だから認定される 人の多くは、「避難所」での死となる。 2004年に起きた、新潟県中越地震では、死者68人のうち52人が「災害関連死」と 認定されている。このとき、その死亡時期をめぐり、「地震発生から半年」が一つの目安 とされた。逆にいえば、「半年以上は関連死でないと推定」するしたのだ(「長岡基準」)。 しかし、東日本大震災以降、「半年で区切るのはおかしくないか?」という議論もあって (当然だ、と思う)どこで区切るのかは、ケースバイケースとしている。 熊本地震(2016)では、地震による直接の死者数50人を上回る218人が命を落とし た。そのうち約8割が70歳以上の人だった。 東日本大震災(2011)では、これまでに3794人の関連死が認定されている。そして 関連死の申請は今も尚、続いている。このうち、復興庁が発生から1年後の2012年に 分析した1263人について見ると、約9割が70歳以上の人だった。 1月末の集計では、能登半島地震から約1カ月で、災害関連死はこれまで石川県で15人に 上るという。 これから懸念するべくは、震災関連死。 僕もよく存じ上げてい公衆衛生の専門家、福島県史立医科大教授の坪倉正治先生は、東日本 大震災によって福島県南相馬市内で震災関連死された500人以上を分析したところ、 その平均年齢は82・7歳。そして死因の半数以上は、循環器系と呼吸器系の疾患が占めた という。特に多かったのが肺炎。また、災害の初期段階の死因としては避難による体力低下 や、低体温症、口腔ケア不足による誤嚥性肺炎も考えられるとしている。 また、相馬、南相馬両市の75歳以上の高齢者の死亡リスクを分析したところ、震災から 3カ月以内だと男性は1・7倍、女性は1・91倍に上昇していたという結果だった。 坪倉先生は「避難をすべきか、すべきでないかが問題なのではない。 被災者が平時に受けていた医療や福祉のサービスを維持させることが重要なのだ」と仰る。 その通りだ、と思う。 また、肺炎のリスクと避難所等のトイレの汚さが関連していると指摘する専門家もいる。 断水で水が無くなり、水洗トイレが使えなくなると、共同で使うトイレは、またたくまに

この続きを見るには

この記事は約 NaN 分で読めます( NaN 文字 / 画像 NaN 枚)
これはバックナンバーです
  • シェアする
まぐまぐリーダーアプリ ダウンロードはこちら
  • 長尾和宏の「痛くない死に方」
  • 本邦初!100パーセント「死」のことについて語るメルマガ。2000人以上を看取った医師であり、日本尊厳死協会副理事として、日々「死」と向き合う医師と一緒に、死に方について考えませんか? 家族の死と向き合わなければならない人、大切な人が死んで、喪失感から抜け出せない人、今、どうしようもなく「死にたい」人も……あなたのこころに届くメッセージが満載です。
  • 660円 / 月(税込)
  • 毎週 土曜日(年末年始を除く)