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佐々木俊尚の未来地図レポート 2024.2.5 Vol.792
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【今週のコンテンツ】
特集
AIはあらゆるものを最適化し、人間のマネジメントや勘を代替していく
〜〜〜生成AIがもたらす三つの方向性を解説する(3)
未来地図キュレーション
佐々木俊尚からひとこと
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■特集
AIはあらゆるものを最適化し、人間のマネジメントや勘を代替していく
〜〜〜生成AIがもたらす三つの方向性を解説する(3)
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生成AIがもたらす可能性について、本メルマガのこれまで2回で「人間の雑用をこなすようになる」「人間が機械を操作するインタフェイスが、GUIから音声とジェスチャーに代替される」という二つの方向について論じてきました。今回はその3つめである「あらゆるものを最適化する」という方向性です。
この方向性の試金石となるであろうケースは、無人タクシーです。日本では完全自動運転のタクシーはまだまだ未来の話という受け止め方でしたが、昨年春に道路交通法が改正されて、レベル4の自動運転車がナンバーを交付できるようになりました。
ちなみに自動運転にはレベル1〜5があり、レベル4とレベル5は、ドライバーの存在がまったく不要な自動運転。4と5の違いは、4が「特定条件下で」という但し書きがつくのに対して、5は何らの条件や制限などなく、路地裏だろうが大雨だろうが大雪だろうが、どこでも自動運転が可能になるものです。今のところ世界のどこでもレベル5は実現しておらず、日本では2027年にレベル5の実証実験が予定されているという段階です。
現在のところ米国や中国などで実用化しているのはレベル4。これが日本でも実用化段階に入っており、再来年の2026年にはホンダとGM、その子会社のクルーズ社が提携して東京都心で無人タクシーの運行をスタートさせると発表しています。
自動運転の技術が進み、安全性が認識され、一般社会に受け入れられるようになっていけば、いずれ有人タクシーから無人タクシーへと切り替わっていき、全面的に代替される未来が見えてくるでしょう。そうなったときに、タクシーという公共交通システムは何が変わるのでしょうか?
現在のタクシーがどのように運行されているのかを考えてみればいいと思います。基本的には、タクシードライバーのスキルやノウハウなどの能力に頼っている面は大きいのでしょう。「稼ぐタクシー運転手」という話題はよく目にします。
よく指摘されるのは、タクシードライバーの「情報力」が大事ということ。その日の天気や渋滞情報だけでなく、たとえば大型ホテルのチェックアウトの時間や空港、駅などに観光客や出張の人がたくさん集まる時間などを把握している。さらにはイベントがどこで開かれていて、いつ終わるのかといったことや、新幹線などの遅延などまで考慮するそうです。また主要駅からのバスの終電時間を頭に入れていて、終電終わった後ぐらいに駅に駆け付けるという技も。
そして近年は、はGOやS.RIDEなどの配車アプリがかなり普及してきています。
★就活生が「タクシー運転手」に新卒カード切る理由
https://toyokeizai.net/articles/-/612412
この記事にはこう書かれています。「タクシーは流しで客を探すことも多く、天候や時間帯によってたくさんの客がいる場所を予想することが重要。どの車線を走るかなどのノウハウも大切だ。経験豊富な運転手ほど有利というのがこれまでのタクシー業界の常識だった」
しかし現在は乗客の3割ぐらいが配車アプリ経由に。日の丸交通の富田和孝社長が以下のようなコメントを寄せています。「配車アプリの導入によって、タクシー業界は間違いなく働きやすくなっている。流しで必要だった経験やテクニックの不足を補えるようになり、効率的なマッチングで空車時間を減らせるので、新人のドライバーでも高パフォーマーになるケースが増えてきている」
この配車アプリの方向の先に、無人タクシーの運用があります。タクシードライバーの暗黙知的なノウハウに頼るのではなく、アプリの側がタクシーの配車を最適化していくのです。そしてこの計算には、深層学習をベースにしたAIが非常に有効だと言われています。
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