(2018年5月16日第33号改訂)
こんばんは!
年金アドバイザーのhirokiです。
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1.基礎年金の満額の水準を昭和60年改正の時に60万円に決めた。
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いつも国民年金からの給付である老齢基礎年金の金額に795000円(68歳以上の人は792600円)という数字を用いますが、そもそも一体何で795000円なんでしょうか。
20歳以上60歳未満の人は全て、どんな職業であろうが国民年金に加入するという基礎年金制度が導入されたのは昭和60年改正の事です。
この時に昭和59年度価格として600,000円(月額5万円)というラインが引かれました。
月々5万円だなんて安すぎるだろ!!と思われたかもしれませんが、この月額5万円というのは480ヶ月国民年金保険料を納めた場合、「国民の老後生活の基礎的部分を保障するものとして高齢者の生活費等を総合的に判断されて決められたもの」です。
ちなみに昭和60年改正が行われるまでは、元々この基礎年金満額の600,000円というのは国民年金保険料を25年(300ヶ月)納めた場合の価額でした。
当時は国民年金の単価が2000円でしたので、2000円×300ヶ月=600,000円
この金額をそのまま480ヶ月の金額にしました。
つまり、単価を2000円から1250円に引き下げ、1250円×480ヶ月=600,000円
300ヶ月で出た金額を480ヶ月にしても金額が変わらないようにしたんですね。
思い切った給付の削減でした。
そんなの不公平だろ!って思われたかもしれませんが、保険料の納付期間を延ばすことで月々の保険料額を下げる事ができます。
給付を引き下げなかったら、今の国民年金保険料は16,520円(令和6年度は16,980円)ですが、当時は21,700円とかそういう試算がなされていました。
月々2万円以上は普通に納めてもらわないと年金給付の維持は厳しい見通しだったんです。
昭和60年改正の基礎年金導入時は、それまで経済成長によりどんどん上げていった給付を抑える事がとても重要課題でした。
なぜ年金を引き上げていったかというと、高度経済成長により人々の賃金が増加していく中で、年金を引き上げないとなると老後保障にならないからですね。
たとえば賃金が月10万円で、年金が6万円という中で賃金が20万や30万に上昇していくのに、年金は将来は6万円もらえますよって言われてもそんなんじゃ少なすぎ!ってなりますよね。
賃金の伸びに引き離されないように年金額も引き上げていく必要がありました。
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