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池田清彦のやせ我慢日記 vol.257 -人為的温暖化は世紀のペテン2-

池田清彦のやせ我慢日記
池田清彦のやせ我慢日記 / 2024年2月9日発行 /Vol.257 INDEX 【1】やせ我慢日記~人為的温暖化は世紀のペテン2~ 【2】生物学もの知り帖~タコも夢を見るか?~ 【3】Q&A 【4】お知らせ 『人為的温暖化は世紀のペテン2』  少し大きな台風が来たり、集中豪雨が降ったりすると、温暖化のせいにするのがマスコミの定番だが、実は何の根拠もないウソ話なのだ。台風は21世紀に入ってから発生数も減り、規模も小さくなった。時々少し大きな台風が来ると、人為的温暖化のせいだと囃すマスコミの尻馬に乗って、CO2の削減は待ったなしだ、といった主張を得々として語る人がいる。本人はとても良い意見を言っていると思って気分がいいのかもしれないけれども、反省的意識が完全に欠如しているこういった善意の人が、世の中で、最も質が悪い宿痾なのである。  気象庁のホームページには1951年以降の年毎の台風の発生数が載っている。これを見ると、台風の年間平均発生数は50年代(正確には51年から60年)24.6個、60年代29.5個、70年代26.5個、80年代27.5個、90年代26.2個、2000年代23.0個、2010年代26.1個、2021年22個、2022年25個、2023年17個と、この70年余り、減少傾向にある。  台風の発生数が多かったのは1960年代から20世紀の終わり頃までで、発生数が30個を超えた年は、60年代は5年、70年代は4年、80年代と90年代は2年あったが、21世紀に入ってからは2013年に31個発生した以外はすべて30個未満である。  海面の温度が高くなると台風が発生しやすくなり、規模も大きくなるといった話がまことしやかに喧伝されているが、気象庁のデータからはそういった事実は読み取れない。少し地球が寒冷化して、多くの識者が、氷河期が来るぞと人々を脅かしていた60年代と70年代にも、台風の発生数は多かった。  昭和の3大台風と言われているのは伊勢湾台風(1959)、枕崎台風(1945)、室戸台風(1934)で、これらの台風は最近の台風よりはるかに大型だった。死者・不明者5098名を出した、最悪の台風は伊勢湾台風で、上陸時の気圧は930hPa(ヘクトパスカル)、洋上の最低気圧は895hPaであった。枕崎台風の死者・不明者は3756名、洋上の最低気圧は865hPaと推定され、非公式ながらこれは世界歴代1位の最低気圧の記録である。1951年以降の公式の記録は、1979年の台風20号の970hPaである。

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