第301号(2024年2月9日号)
『最後の調停官 島田久仁彦の無敵の交渉・コミュニケーション術』
はじめに:
いつもメルマガ『最後の調停官 島田久仁彦の無敵の交渉・コミュニケーション術』をお読みいただきありがとうございます。
さて、今週号の内容ですが、まず【1】の
『無敵の交渉・コミュニケーション術』のコーナーでは、引き続き
【危機管理の交渉術(Crisis Negotiation】についてお話しします。
初回となる先週号では【緊急事態の交渉の特徴(Characteristics of Crisis Negotiation)】についてお話ししました。
High Stakesで、感情が昂りやすく、そして多種多様なステークホルダーが絡むという特徴でしたね。
今回は【効率的かつ効果的にCrisis Negotiationを行うためのステップ】についてお話しいたします。
その注目の内容は、本編をお楽しみに♪
次に【2―国際情勢の裏側】ですが、今週もいろいろな動きを見せています。
一つ目は【アメリカの次のターゲット?!―イランを巡る攻防】です。
先週号でも取り上げたヨルダンにあるアメリカ軍の拠点に対してイラクのイスラム抵抗運動、
特にカダイブ・ヒズボラが無人ドローンによる攻撃を仕掛け、米兵3名の死亡と40名を超す負傷者が出た事案は、
“予定通り”アメリカによる報復を生みました。
ただアメリカもイランも直接の軍事的な交戦は望んでおらず、
最悪の結果に至らないためのぎりぎりのラインで国内の強硬派からの“弱腰”批判をかわそうと躍起になっているようです。
今後、イランの影響があまり及ばないと言われている反米組織が突出した攻撃を仕掛けるような事態になったら・・・。
非常に心配です。
2つ目は【悪化の一途を辿るイスラエル・ハマス戦争】についてです。
アメリカ、カタール、エジプトという仲介国が提示した停戦と人質解放のための提案は、
無碍にもイスラエル・ハマス双方から拒否されました。
中東訪問中のブリンケン国務長官も、カタールのムハンマド首相兼外相も
『解決の糸口になれば』との期待を表明していましたが、
ハマスが求める恒久的な停戦という条件と、ハマスを駆逐することをゴールに掲げ、
戦闘の継続を主張するイスラエルとの条件が合わず、話し合いは物別れに終わり、
ガザでの戦闘は再び激しさを増すことになっています。
また今回話されていない内容ですが、
【戦闘終結後のガザの扱い】を巡る関係各国と当事国・当事者のベクトルがまったく一致していない状況も、
解決の糸口を見いだせないでいる一大要因だと考えます。
複雑に絡み合った糸をほぐすには、まだまだ不確定要素が多く、解決には長い時間を要することが予想されます。
3つ目は【存続の危機に直面するウクライナ・ゼレンスキー大統領】についてです。
2月1日にEUが500億ユーロ(約8兆円)規模の追加支援を2027年まで実施することに全会一致するというニュースが流れ、
NATOも11億ユーロ相当の武器弾薬生産のための契約を締結したため、
『ウクライナ有利か』というニュースが流れましたが、
実際にはウクライナの弾薬のストックは枯渇しつつあり、このままではロシアに対する反転攻勢などままならないとのこと。
アメリカからの支援も期待できず、欧州からのものも条件付き、
そしてNATOの武器生産契約が実際に弾薬を現場に供給できるのは、
ストルテンベルグ事務強調曰く「早くとも2027年」とのこと。
ウクライナは果たしてそれまで持ちこたえられるのでしょうか?
国内情勢の混乱も深まり、ゼレンスキー大統領周辺では緊張が高まっていることもあり、
ロシアに対する抗戦のための挙国一致体制にも大きなひびが入り始めました。
長期化が予想されたロシア・ウクライナ戦争も、もしかしたら“終わる”日が近いのでしょうか?
今回【2-国際情勢の裏側】では、
【混乱極まる国際情勢が辿り着くDead-End】
と題してお送りいたします。
今回のメルマガも長くなりましたが、どうぞ最後までお付き合いくださいね。
それでは今週号、スタートします★
この記事は約
NaN 分で読めます(
NaN 文字 / 画像
NaN
枚)