久米信行(裏)ゼミ「大人の学び道楽」
授業や講演では話せないこと。連載やSNSでは書けないこと
毎月第1-4 火曜日発行 vol.169 2024/2/13発行
*========*========*=======*=======*
3.大人の放課後相談室
Q 残業しがちな部下を休ませたい
会社に50代の部下がいます。真面目ながらも不器用な人で、作業スピードはゆっくりなので、仕事をためがちです。本人もそれを自覚しているので、毎日、残業することで遅れを取り戻そうとしています。
そんな部下は、残業による疲れなのか、いつもしんどそうに働いているので、突発的に入ってくる仕事は私が引き受けたりして、なるべく早く帰れる環境を作っています。
先日、休日出勤の代休を取らせた時も、メール対応していることが分かり、メリハリを付けて休めていない部下が心配です。
業務量を少し減らしたり、休むことの大切さは常々伝えていますが、残業は減りません。
毎日しんどそうに働く部下に休みを取らせるのは、どうしたらいいでしょうか?いいアプローチはないか悩んでいます。
東京都/45歳/男性
A まずは個人的な信頼を構築して諸事情を拝聴。その上で、仕事のやり方、報酬制度などを見直す抜本的な改革を
世の中には、仕事の遅い部下を叱咤し、時には左遷や自主退職に追い込むような酷い上司が多い中で、なんともお優しいお心遣いですね。
ただ、これは簡単そうに見えて難しい問題です。
なぜなら、単に仕事が遅いだけではない個人的な事情があるかもしれないからです。
■想定される事情1 残業手当が欲しい
私も残業手当がいただける新人社員として会社勤めをしていた経験があります。
その時に不思議だったのは、朝早く来て、夜遅くまで仕事をしている先輩社員が多かったことです。その割には、コアタイムに生産性高く仕事をしているように見えません。私は勤務時間前に会社に行くことも残業も嫌だったので、さっさと仕事を済ませて帰るのですが、みんな冷たい目で見るのです。
あとで飲みに行った時のホンネトークで事情がわかったのですが、残業手当がつく課長手前の人たちは、少しでも多くの手取り収入が欲しかったのです。
それを証拠に、ある会社に勤めている時、一日当たりの残業を一定と見なして、残業をしてもしなくても収入が変わらない仕組みにしたら、みんな一気に帰宅する時間が早くなりました。やろうと思えばコアタイム内に仕事ができたのですね。
この記事は約
NaN 分で読めます(
NaN 文字 / 画像
NaN
枚)