国民より立身出世
庶民の恨みを軽視
EVで経済立直し
習氏の命取りは?
中国国家主席・習近平氏の政治行動をウォッチして気づくのは、もはや習氏にまともな経済成長を図って国民生活を向上させる選択肢がないことだ。それよりも、中国共産党の延命に重点が置かれている。時ならぬ「反スパイ法」制定は、中国共産党に害毒になる内外の動きを全て遮断する目的である。ここまでやって、中国共産党の安泰を目指しているのだ。最後の逃げ場探しである。
習氏のこうした決断の裏に存在するのは、中国経済の発展余力がもはやなくなったという認識である。市場経済方式をさらに拡充すれば経済成長が望めるとしても、それによって共産主義体制が脆弱化する。国民の間に「市場経済志向」を増やせば、共産主義にとって元も子もなくなるという危機感が強まっているのだ。結局、経済成長を抑制しても共産主義体制を守る。習氏が、こういう選択をしているとみるほかない。
3000年の中国史で、過去と断絶する意味の「革命」は一度も起こらずに現代を迎えている。皇帝が変わるだけの「易姓革命」に過ぎなかった。中国共産党革命は、易姓革命であって「毛沢東」皇帝が出現しのである。国民は、今なお選挙権を持たず一方的に支配され続けている。習近平氏が、世界の大勢からみて共産党政権の行く末に不安を持つのは当然であろう。
国民より立身出世
習近平氏の経済政策について、ここ3~4年の動きを見ると、従来の成長政策と矛盾したものが現れていた。過去は、GDPで米国を抜いて世界一になるという宣伝が全面に出ていたのだ。2020年以降の「ゼロコロナ政策」は、従来の主張と異なり理解できないものになっていた。
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