【許可するゲーム】
「うゎっ、何であんな所穴があるんだ、危ねぇな」
ある時、みつおはユキオを乗せて家まで送っていたのだが、田舎のじゃり道を走っていると道の真ん中が大きな穴になっていて、焦ってかわしたのだが、その一言がユキオにスイッチを入れたのだった。
「みつお、降りてからあの穴に文句を言ってきたら?」
「えっ?いや、穴にですか?あはは、いくらなんでもそこまでやりませんよ」
みつおは、ユキオの得意のジョークだと思って長そうとしたのだが…
「お前は何でいつも怒ってるの?信号が赤になっても怒ってるだろ」
「いや、あの、信号に怒っているんじゃなくて、急いでいる時に限って信号に引っかかるから」
「信号はお前の邪魔をするためにあるのか?」
「いや、そんな事はないですが、すみません」
ユキオにスイッチが入ると、とことん追求してくるので、みつおはヘビに睨まれたカエルのようになるのだった。
「別にお前に説教しているわけではないよ、お前が無意識に生きているから、はたから見た事実を教えているだけだよ」
「えっ?事実って何ですか?」
「はたから見ていると、お前は道の穴に怒っているし、信号にも怒っている。好きなコーヒーが売り切れでも怒っているし、ジュースを買うお金が足りなくても怒っている。そんなに怒っていると身体に悪いんじゃないか?そのうちに肝臓をやられるぞ」
「えっ?怒りは肝臓と関係あるんですか?」
「当たり前さ、人間の感情は身体と直結しているんだよ、淋しいのに我慢強い人は喘息になるよ、恐怖心を抑えていると腎臓、怒りは肝臓と直結しているんだよ」
「へぇ〜、そうなんですか?」
「そんな事はどうでもいいんだよ、お前を見ていると電柱とケンカしている酔っ払いみたいで、間抜けだよ」
「えっ?どういう事ですか?」
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