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馬渕治好の週刊「世界経済・市場花だより」
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第660号(2024/2/18) 想定外の暴騰となった日本株式市場/米国では「景気は良くないし金利は下がらない」へ踏み出しつつあるのでは
この週刊「世界経済・市場花だより」は、めまぐるしく変化する世界の経済や市場の動きなどについて、ブーケ・ド・フルーレット馬渕治好が、わかりやすく解説します。
※ 自主開催セミナーの予定です(カッコ内は、現時点でのお申し込み数/定員、です)。残席は、10を下回った場合に表記します。
2/24(土)ウェブ(14/150)
3/2(土)葛西(2/25)
3/30(土)名古屋(4/25)
4/6(土)浜松町(3/25)
4/13(土)ウェブ(2/150)
4/20(土)札幌(5/25)
4/27(土)高岡(1/25)
6/1(土)大阪(2/18)
6/15(土)横浜(1/20)
6/29(土)福岡(0/20)
7/13(土)浅草(6/20)
7/27(土)ウェブ(0/150)
セミナーのスケジュールは、
http://bd-fleurettes.eco.coocan.jp/sub3.html
のページの下の方にあります。詳細やお申し込みは、それぞれのリンク先をご覧ください。
☆過ぎし花~先週(2/12~2/16)の世界経済・市場を振り返って
<想定外の暴騰となり、買われ過ぎを一段と積み上げた日本株式市場、一方米国では、じわりと「景気は良くないし金利は下がらない」による株価下落の地合いが忍び寄りつつあると判断>
(まとめ)
先週は、先々週までの「半導体祭り」の余勢を駆ったこともあって、特に日経平均が当方の想定外の暴騰となり、2/16(金)は一時38865.06円のザラ場高値に達しました。ただこれほどの株価上昇をしっかりと支持する根拠は欠けていると判断しており、上値への値振れによる「狼狽買い」を誘おうとの動きもあったと推察します。このため現在の日経平均の水準は、買われ過ぎの上に買われ過ぎを積み上げた状態だと見なします。
一方米国では、先週発表の1月分の経済指標が、誰にも明らかな形で、景気は冴えないし(インフレ率が想定ほどの低下を示さないので)金利も下がらない、という、株価にとって最悪の環境をじわじわと押し広げていると考えます。
(詳細)
先週は、特に先々週に米国などの株式市場で根強かった「AI祭り」「半導体祭り」の余勢を駆って、日本では値嵩半導体製造装置株などの値上がりが続いたことなどにより、日経平均主導の株高となりました。日経平均は、2/16(金)は一時38865.06円のザラ場高値に達する暴騰となり、こうした株価暴騰は当方の完全な想定外で、まったく予想することができませんでした。読者の皆様には、お詫び申し上げます。
ただ、こうした日本株の上昇が当面持続可能かと言えば、反落の恐れが高いと、引き続き見込みます。先週のこれほどの株価上昇をしっかりと支持するような要因は見当たりませんし、一部投機的な買いが、他の投資家の「狼狽買い」を誘発しようと仕掛けられた、という面もあったと推察します。
やはり現在の日本株の水準は、買われ過ぎの上に買われ過ぎを積み上げ、かえって先行きの株価の下落幅を拡大しているだけだと見込みます(先行きの株価のシナリオなどは、後の「過ぎし花」もご参照ください)。
一方、米国においては、1月分の経済統計について、一見すると景気が強いと「誤解」してしまうようなデータが、先々週辺りまでは発表されていました。
たとえば1月分の雇用統計は、非農業部門雇用者数の前月比増加幅が35.3万人もの増加となり、米景気が強いと誤って判断されるような数値でした。しかし週当たり労働時間の前年比減少率はコロナ禍に並ぶ大幅なものとなり、このため景気との関係性が深い労働投入量(雇用者数×労働時間)は伸びを大きく減じてきています(企業経営が、弱い景気に対応するため、労働者数のカットではなく時短で対応している状態)。
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