第303号(2024年2月23日号)
『最後の調停官 島田久仁彦の無敵の交渉・コミュニケーション術』
はじめに:
いつもメルマガ『最後の調停官 島田久仁彦の無敵の交渉・コミュニケーション術』をお読みいただきありがとうございます。
今日は天皇誕生日。
そして今日から3連休の方も多いかと思います。
休暇モードに入る前に、少しだけお付き合いください。
さて、今週号の内容ですが、まず【1】の
『無敵の交渉・コミュニケーション術』のコーナーでは、引き続き
【危機管理の交渉術(Crisis Negotiation】についてお話しします。
『人質解放のための交渉術(Hostage Negotiation)のスキルややり方が危機管理の交渉においてもとても参考になる、
と島田さんは言うけど、そのHostage negotiationについてもっと説明してほしい』
とのご要望をいただきましたので、今週号では
【Hostage Negotiatorの決まり事(Drills)】
についてお話しいたします。
その注目の内容は、本編をお楽しみに♪
次に【2―国際情勢の裏側】ですが、今週もいろいろな動きを見せています。
一つ目は【反プーチンの急先鋒アレクセイ・ナワリヌイ氏の“急死”】についてです。
2月16日だったでしょうか。
反プーチンの急先鋒で昨年末から北極圏に位置する、ロシアで最も過酷な刑務所に収監されていた
アレクセイ・ナワリヌイ氏が急死するという事件が起きました。
刑務所によると突然死症候群で死亡し、何ら事件性はない、とのことですが、大統領選を約1か月後に控えた時期の突然の死と、事件性はないというのに、遺体の引き渡しや家族の面会は拒否するという奇妙な動きは、さまざまな憶測を呼んでいます。
真実のほどはわかりませんが、ロシア国内はもちろん、世界中でナワリヌイ氏を悼む民衆の姿が見られ、
ロシアでは400人を超える市民が警察に拘束される事態に陥っていますし、
欧米諸国とその仲間たちは挙って対ロシア制裁の強化を宣言しています。
ロシア大統領選挙を控え、またロシア・ウクライナ戦争における戦況がロシア有利になっていると言われている中、
表には出てこないさまざまな政治的な駆け引きが繰り広げられています。
二つ目は【ロシアによるウクライナ侵攻から2年‐先の見えない情勢】についてです。
2022年2月24日にロシア軍が国境を越えウクライナに侵攻してから明日で丸2年経ちます。
当初はロシアの圧倒的な武力によって数日でウクライナ全土が掌握されると予想されましたが、
予想外にウクライナ軍が健闘し、2年経った今も戦争は続いています。
昨年6月に開始された反転攻勢は失敗という分析がされるようになりましたが、ロシア軍にもそれなりの被害が出ており、
戦況は一進一退の状況のまま停滞しています。
先が見えない長引く戦いに欧米諸国とその仲間たちも支援疲れが顕著になり、国内政治状況とも絡んで、
次第に早期停戦の実現を口に出すようになってきました。
果たしてロシアとの停戦は現実的で、かつウクライナに平和をもたらすものなのでしょうか?
三つ目は【混迷極まるガザ情勢と強まる国際社会によるイスラエル包囲網】にちてです。
アルジェリア政府が提出した即時停戦を求める安保理決議は、常任理事国アメリカによる拒否権発動で否決されましたが、
英国の棄権を除き、日本を含む13カ国が賛成に回りました。
アメリカの独り相撲であり、かつウクライナフロントで国際社会の結束を訴えかける半面、
国際社会の声に耳を貸さずにイスラエル支持を貫くアメリカの姿勢には、同盟国からも厳しい非難が浴びせられています。
しかし、当のアメリカも、イスラエルのネタニエフ政権が頑なに進めるガザへの攻撃、
特に近日中に行われるとされるラファへの総攻撃に対して非難を強め、住民の安全確保と人道支援の徹底を訴え、
イスラエル軍に自制を求めています。
そしてアラブ諸国もサウジアラビア王国を軸にイスラエルに対して自制を強く求めて反発を強めていますし、
英国、フランス、ドイツ、オーストラリア、カナダなども非難のトーンを強めて
イスラエルを牽制するようになってきたことで、次第に“イスラエル包囲網”が構成されてきています。
ラマダンが始まる3月10日までにラファへの攻撃・作戦は実施されるのでしょうか?
意固地になっているネタニエフ首相の姿勢を見る限り、
残念ながらさらなる悲劇と犠牲がガザに訪れるような気がしてなりません。
今回【2-国際情勢の裏側】では、
【2つの戦争はいかにして終わらせるべきか】
と題してお送りいたします。
今回のメルマガも長くなりましたが、どうぞ最後までお付き合いくださいね。
それでは今週号、スタートします★
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