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石川 温の「スマホ業界新聞」
2024/02/24(vol.553)
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《目次》
1.KDDIがつながるモビリティの取り組みを説明
----モビリティの安全性を高めるにはスマホ活用が近道
2. KDDI、ローソンの次は果たしてどこだ?
----ネットとリアルをつなげるための新たなパートナーとは
3.MWC Barcelona 2024開幕直前
----2024年に注目の企業とソリューション
4.今週のリリース&ニュース
5.編集後記
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1.KDDIがつながるモビリティの取り組みを説明
----モビリティの安全性を高めるにはスマホ活用が近道
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KDDIは2024年2月20日、トヨタ自動車をゲストに迎え、モビリティに対する取り組みの説明会を開催した。
KDDIが保有するユーザーの位置情報や属性情報、さらにトヨタ自動車が持つ車速やブレーキなどの車両データ、さらに道路特性や交通事故発生数などのオープンデータをAIで分析し、危険地帯をマップに落とし込む「危険地点スコアリング」を今春、企業や自治体に提供するという。
個人的には早期にグーグルは危険地点スコアリングの提供を受け、Google Mapsに落とし込んでもらいたいと切に願う。
また、KDDIでは、タクシー会社とデリバリー会社に協力を得て、お互いのドライバーが持つスマートフォンの位置情報や速度情報をクラウドに上げ、信号がなく見通しの悪い交差点にお互いがさしかかったら、交差点進入の5秒程度前に通知を出して、減速や一時停止を促す実証実験を行い、実際に平均時速10.1キロの減速に成功したという。
この仕組みは是非とも早期にオープンにして、みんなで使えるような環境を作ってもらいたい。
自動車メーカーや通信事業者が集まる業界団体では「セルラーV2X」として、クルマ同士や街中にある信号などと通信をさせることで、安全性を高めるという取り組みをしようとしているが、全くと言っていいほど普及する目処が立っていない。セルラーV2Xに対応したクルマが増えないことには何の効果も得られないのだが、そもそも自動車メーカーがセルラーV2Xに対応させようという気が全くと言って良いほど起きていない。
セルラーV2Xの時代がいつまだ経ってもやってこないのだが、これがKDDIのように「スマホ」ベースで見通しの悪い交差点での危険予知に役立つとなれば、状況は一変してくる。
誰もが使うアプリにこうした機能を具備し、自転車、クルマ、さらには歩行者に対して、見通しの悪い交差点で通知が受けられるようになれば、交通事故は一気に減るのではないか。
国内での普及率が高いLINEとかPayPayあたりが対応してくれたら良いのかも知れない。
個人的にはスマホだけでなく、キッズ向けケータイにこそ搭載して欲しい機能だ。
日本国内を走るすべてのクルマに通信機能が備わり、コネクテッドカーとして様々な情報をクラウドに上げていくというのは、これから何年もかかることだろう。
しかし、ドライバーが持つスマホが同じような役割をするだけで、日本におけるクルマに対する安心、安全は一気に高まっていくような気がしてならないのだ。
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