メルマガ読むならアプリが便利
アプリで開く

第108回 3年目に突入したロシア・ウクライナ戦争、中国が「漁夫の利を得た」という指摘は的を射ているのか

富坂聰の「目からうろこの中国解説」
 狂った野郎(crazy SOB)」――。  国際政治の舞台で他国のトップをこれほど悪しざまに罵るのは北朝鮮の指導層だけかと思っていたら、そうでもないらしい。  アメリカのジョー・バイデン大統領だ。発言が飛び出したのは選挙資金集めのイベントでのこと。「人類にとって最後の存亡の危機は気候(変動)だ」と強調する流れのなかで「プーチンのような狂った野郎がいて、核戦争の懸念は常にあるが」と前置きしたのだ。気候変動問題の大切さを語るためのおまけの発言ともとれるが、それにしても刺激的だ。  今月14日、ウラジミール・プーチンはロシア国営テレビのインタビューで「バイデン大統領とトランプ前大統領のどちらがロシアに望ましい大統領か」と問われ、「バイデン氏だ」と答えたばかり。そのプーチンに冷や水を浴びせかけたのだから、ロシアの反応に注目が集まった。  しかしプーチンはこれを冷静に受け止めた。国営テレビに出演し〈「われわれは(アメリカの)大統領が誰であれ協力する用意がある」とした上で、笑みを浮かべながら、「ロシアにとり、バイデン氏の方が好ましい大統領だと確信している。今回の彼の発言から判断すると、私は断然正しい」と述べた〉(ロイター通信2月23日)のである。

この続きを見るには

この記事は約 NaN 分で読めます( NaN 文字 / 画像 NaN 枚)
これはバックナンバーです
  • シェアする
まぐまぐリーダーアプリ ダウンロードはこちら
  • 富坂聰の「目からうろこの中国解説」
  • 中国報道で日常的に使われる言葉や表現、これを詳しく分析すると、これまで知っていた事実とは違う世界が見えてくる。ニュースのミスリードから脱する処方箋を書く。
  • 990円 / 月(税込)
  • 毎週 日曜日(年末年始を除く)