無意味な中国“大国論”
陰謀論で覇権獲得狙う
米は精緻な対抗策樹立
軍部タカ派が政策関与
中国は建国以来、多くの辛酸を舐めてきた。中でも、現在の経済危機が不動産バブル崩壊という世界経済史に残る規模だけに、その解決には長時間を要するはずだ。最大の問題は、真っ当な経済政策による「解決手段」を持たない点にある。これは、中国が内部的に「軍事国家」を標榜して、秘かに米国の覇権を奪取する目的によるものだ。経済成長よりも安全保障を重視する。こういう政策が招いた破綻である。
習氏は、「社会主義的金融政策」で乗切るという、意味不明な発言をしている。過剰債務を金融緩和によって、「凍結」しようという狙いであろう。不動産バブル崩壊に伴う過剰債務処理は、時間がかかればかかるほど利息を生んで債務が膨れ上がるという難物である。こういう現実から、早期解決が望まれるのだ。
中国にその動きがないのは、財政赤字拡大を恐れているからだ。この裏には、中国が経済優先でなく軍事優先という動かしがたい構造によって縛られている事実を認めるほかない。これが、経済的に合理的判断を阻止しているのだ。
中国は、驚くほど合理的解決法を模索しない国である。儒教という背景を持つ国家である結果だが、古代の戦術に全ての範例を求めている。中国古代には、不動産バブル崩壊はなかったが、土地所有をめぐって公有と私有の両極で大きく揺れ動いた経験を持っている。いずれも抜本的な解決ができず、公有による土地の疲弊と私有による土地集積という弊害を繰返し、国力が疲弊してきた。現在は、政府が土地公有を利用して住宅高騰を煽るという新たな矛盾に陥っている。政策面での進歩が、全くみられない希有の国である。
無意味な中国“大国論”
中国は、合理的な根拠もなく「超大国論」を振り回している。多分、人口が多いこと・国土面積が広いこと・歴史が古いことの3点が理由とみられる。個人レベルで言えば、「名家」出身ということで、社会から尊敬され影響力を持って当然という意識だ。国家も個人も同じだが、それに相応しい真面目な努力を欠いた独善的な振舞は、周囲から浮き上がり自滅へ進むだけである。
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