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佐々木俊尚の未来地図レポート 2024.2.26 Vol.795
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【今週のコンテンツ】
特集
思考には、集約的思考と拡散的思考の二つがあると認識しよう
〜〜〜アイデアや思いつきは、書き留めるだけでは先に進まない
未来地図キュレーション
佐々木俊尚からひとこと
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■特集
思考には、集約的思考と拡散的思考の二つがあると認識しよう
〜〜〜アイデアや思いつきは、書き留めるだけでは先に進まない
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読者のかたから質問をいただきました。
★転出超過 なぜ若い女性は流出する?
~[
https://news.yahoo.co.jp/articles/76e3ce4553282543753c71a29386b65fe2f65ba2](https://news.yahoo.co.jp/articles/76e3ce4553282543753c71a29386b65fe2f65ba2)~
この記事で、地方には「男性の仕事のバリエーションに比べると、はるかに女性のバリエーションが地方にはない」という理由が語られているけれども、本当にそうなのだろうかという質問です。そうではなく「男尊女卑的な固定化されたジェンダー観」「給与水準が低い労働集約的産業」「食つなぐには良いが、長く続けるには展望を描けない仕事」などが本当の理由ではないか、というご指摘でした。
上記の記事はテレビ局「テレビ新広島」のニュースで、地元の大学の公共経営学部の女子学生たちに主にインタビューしていることがわかります。彼女たちはあくまでも「これから就職し、社会に出て行く人たち」としての目線で、だから「地方は就職の選択肢が都会に比べると少ない」という返答が多くなっているのでしょう。
実際に若い女性が地方社会に出てみれば、選択肢の少なさだけでなく「男尊女卑」「給料が安い」「展望が拓けない」という現実に直面することも容易に想像がつきます。実際、わたしが地方で知り合っている若い人たちも、女性に限らずおおむねこのような感想を持っているという印象があります。
地方の仕事の選択肢の少なさで言えば、実際のところ女性だけでなく男性もかなり少ないというのが現実でしょうね。
さて、メルマガ本日の本題に移ります。今回のお題は、「アイデアをどう成果物に結びつけるのか」。
あるアイデアや思いつきなど発想の糸口があったとしても、ふくらませなければ大きなビジネスや成果物にはつながりません。アイデアを書きためたメモをたくさん作っている人もいますが、大量のメモを集めたとしても、それがただのメモで終わっているうちは、単なる「メモ魔」でしかないのです。
中学や高校のときの試験前の勉強で、教科書や参考書の重要そうなところにひたすら赤や蛍光のペンを引いて、それで満足してしまう生徒と同じです。赤ペンを引いたところをきちんと暗記したり、自分の脳に刻みつけなければ、それは「自分のものになった」とは言えないのです。
アイデアも同じ。それをただ集めているだけでは、赤ペンを引いているのとかわりません。赤ペンを引くだけでなく、アイデアや思いつきを成果物へと膨らませていくというプロセスを忘れてはならないのです。
メイソン・カリーという編集者が書いた「天才たちの日課」(邦訳はフィルムアート社、2014年)という書籍があります。古今東西のさまざまな文学者、アーティスト、思想家、音楽家といった人たちが、クリエイティブな活動をするために毎日の時間をどのように使ってきたのかを調べたものです。破天荒に荒ぶる生活を送っていた人もいますが、けっこう多くの著名人が実に規則正しい生活を送っていることに驚かされます。
この本を読んでいるとわかるのは、過去の文豪たちは自分の生活の時間すべてを生産に捧げているのではなかったということ。それどころか生産する時間をかなり限定し、生産に充てない時間を大事にしているように見えます。
つまり生産ではない「空白の時間」が大事なのです。
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