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「まちがえるというコト」の価値:「まちがう人」は「まちがうコト」のない傑作本

淺野幸彦メールマガジン「リベラルアーツ事始め」
  • 2024/02/26
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いつもお読みいただきありがとうございます。 第78回目の淺野幸彦メールマガジン「リベラルアーツ事始め」をお送りします。 和田哲郎さんという実在の人物の爆笑言い間違い、勘違い行動の数々を集め、分類し「和田さん研究家・Kさん」がまとめた『まちがう人~まちがい大将・和田さんの迷言&迷事件集「Wadadas」』(*1)という傑作な本があります。 今回はこの本の紹介と出版記念パーティでのお話し、「まちがうコト」の意味ないしは価値を、若干こじつけ気味に考えてみたいと思います。 (*1)『まちがう人』:http://tinyurl.com/rn677xx5 ******************** ◆『WADADAS’95』から『まちがう人』へ ******************** 第一広告社に就職した和田哲郎先輩は、後にSPNが合併してできた私も在籍していたI&S、そして外資系大手広告代理店となったI&S BBDO(*2)の至宝、糸井重里(*3)さんやさくらももこ(*4)さんなど多くの大ファンをもつ広告業界の無形文化財と言われている都市伝説的な人物です。 なおこの本の元になっているのは、1995年6月に上梓された彼の言動を集大成した小冊子『Wadadas’95』と200年12月に上梓された『Wadadas’01~帰ってきたワダダス~新・和田哲用語の基礎知識』です。 最初は関係者だけに、そして確か和田さんの結婚披露宴の引き出物として配られたと記憶しています。 その後、同小冊子がマスコミ関係者、広告業界関係者、作家、ゲームクリエイターなどに、人づてに広められ、いつの間にかギョーカイにおける「幻の捧腹絶倒の書」(*5)として、ウワサされることになりました。 和田哲郎さんを一目見たいとI&S BBDOまで訪ねてくる方もいたほどです。 ちなみに糸井重里さんが主宰する『ほぼ日刊イトイ新聞(ほぼ日)』(*6)の名物の長寿コーナー『言いまつがい』(*7)とそこから厳選された爆笑ネタをまとめた本『言いまつがい』(*8)もこの『Wadadas’95』等の小冊子をヒントにしています。 そして大手ビジネス出版社・ダイヤモンド社の多くのベストセラー本を手掛けた伝説的なビジネス書編集者、故・飯沼一洋(*9)さんから声がかかり、この本は2019年7月10日に出版され、収められた和田さんの爆笑言い間違い、仰天勘違い行動が、ひときわ明るい話題を振りまいています。 (*2)I&S BBDO:http://tinyurl.com/38wzm9m8 (*3)糸井重里:http://tinyurl.com/yuwn7t6u (*4)さくらももこ:http://tinyurl.com/yup8cmhn (*5)産経新聞 書評:http://tinyurl.com/bdv8f4s4 (*6)『ほぼ日刊イトイ新聞』:http://tinyurl.com/4bebfbnw (*7)『言いまつがい』:http://tinyurl.com/wtyjdzbh (*8)『言いまつがい(新潮文庫)』:http://tinyurl.com/3ksachmv (*9)飯沼一洋:http://tinyurl.com/muwv7xsj 『まちがう人』では、和田さんの爆笑言い間違い、勘違い行動の数々を「組み合わせ型」、「勘違い型」、「ケアレスミス型」、「アバウト型」、「分類不能型」、「もの忘れ型」、「要素ミックス型」の七つに分類しています。 以下その例を紹介します。 なお、「もの忘れ型」と「要素ミックス型」は長いエピソードが多いので割愛します。 本書で読んでくださいね。 ******* ◆組み合わせ型 ******* 『うしろぐさい』 (於)酒場 お酒を飲みながら会社のいろいろな「方針」について話し合っている。 K:今回の会社の決定、なんかおかしいよね。 W:コレは、会社としても「うしろぐさい」ことが、あるんじゃないですか? ・うしろめたい+うさんさい ・うしろめたい+うしろぐらい ・うしろぐらい+うさんくさい ※まぁー、いずれかの組み合わせの、まちがいであると思われるが、なんともキテレツな響き・・・。 ***** ◆勘違い型 ***** 『「いんろう」を渡す』 (於)酒場 会社のことで、和田さん、何か不満があるようだ。 「上司に自分の考えを伝えた」と、息巻いている。 W:ボクとしても、いんろうを渡したわけですよ。 K:それじゃ驚いたろ、向こうも。 W:ええ、驚いていました。 ×印篭(いんろう) 〇引導(いんどう) ※印篭を渡しちゃったら、水戸黄門さんは、次からどうすんだろ? ******** ◆ケアレスミス型 ******** 『ゆりカゴから坂場まで』 (於)一日講師として訪れた大学で 大学の教室で語っている真剣な和田さん、そして学生。 W:かつて、社会福祉政策として、有名なスローガンは何でしょうか。 W:「ゆりカゴから・・・」。あれ?えっと「ゆりカゴから・・・」と、後に続く言葉を、思い出そうとする和田さん。 W:そうだ、そうだ、「ゆりカゴから酒場まで」ですね。 学生:??? ※気持ちはわかるがー、正解は「ゆりカゴから墓場まで」ですよ、和田さん ****** ◆アバウト型 ******

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