FRBの緩和シナリオ見直しか
FRBの利下げ開始に大きな期待をもって見ているのが中国当局と米国金融市場です。不動産市場の苦境を救うためには金融支援が必要ですが、事実上ドルとリンクした中国にとって、米国が利下げをしてくれないと中国の緩和ができません。ここまで不動産不況に対して金融緩和での支援ができなかった背景にはFRBの金融引き締めがありました。それだけに、利下げを今か今かと待っています。
また米国金融市場もFRBの利下げを前提に、株や米国債を買っています。最近の予想外に強いインフレ指標や当局の慎重発言もあり、一時に比べると利下げ期待は後退しています。それでも利下げ開始はこの5月か6月と見、年内に3回以上の利下げを予想しています。
しかし、1月のFOMC議事要旨を見ると、当局はいつまで抑制的な金利水準を維持すべきか、明確な判断材料がなく、今の景気好調が続けば、インフレ改善の動きが停滞しかねないとの不安も見られました。先週、FRBのウォラー理事は、インフレの基調判断には少なくともあと2か月分のインフレ指標を見る必要があり、利下げを急ぐべきではないと述べています。
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