「株高喜ぶ総理と日本の不幸」
熊本に外資による巨大半導体工場が開所したことは、少なくとも過去には半導体で世界一であった日本にとっては屈辱のはずです。ですが、岸田総理は開所式にあたって、歯の浮くような賛辞を寄せていました。
同じく岸田氏総理は、日経平均株価が34年ぶりに史上最高値を更新したことを受け、
「国内外のマーケット関係者が評価してくれていることは心強く思う」
「今、日本経済が動き出している。それを国内外のマーケット関係者が評価してくれている。心強く思いますし、力強さも感じているところです」
などと馬鹿げたコメントを出しています。
冗談ではありません。今回の株高は、
「円安なので多国籍企業が海外で稼いだ収益が円に倒すと膨張して見える」
「円安なので海外で形成された株価が円に倒すと膨張して見える」
「円安なのでドル建てでは株価が安く見えて海外投資家が買ってくれる」
という3つの理由で「数字上」起きている現象に過ぎないのです。
そもそも、この「34年間」にNY株などはINDEXだけでも14倍に伸びているのですから、今回の「最高値更新」は日本の停滞を証明する以外の何物でもありません。
何をすべきなのか、それは明らかです。
「高付加価値の産業をどんどん海外に出して、国内は素材、部品、サービス業だけというスカスカ経済をブッ壊して立て直す」
「知的産業が主要産業になる中で、国内の生産性を上げるために準英語圏へシフトする」
「単純反復作業を前提とした中進国型の教育をブッ壊して立て直す」
「人口1億人、一人当たりGDP4万ドル、GDP総計4兆ドルを断固死守する。インドに抜かれて5位になるのは仕方ないが、21世紀末まで5位の座にしがみつく」
言うのは簡単ですが、それこそ反対を押し切り、激しい変革を積み上げて始めて実現できるわけで、厳粛な決意が必要です。反対に、何もしなければ、国内は中付加価値のサービス業が日本語で提供されるだけ、教育はいつまでも中進国型、人口はひたすら縮小、GDPではEU諸国に抜かれまくりということで、21世紀の末には、「100年前には繁栄していた」寂しい過去形の国家になってしまいます。
今回の「株高(?)」を喜ぶ岸田総理を見ていると、政治的に自分の自慢話にしたいだけなら理解できるものの、もしかしたら「本気で良いことだ」と思っているかと思い、心の底から心配になってしまいます。
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