「小松成美の伝え方の教科書 ノンフィクション作家に学ぶコミュニケーション術」
vol.68「社会課題をアイディアで解決する天才、プロデューサー・小国士朗」
【今週の目次】
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1. 成美のつぶやき
└世界的な指揮者・小澤征爾の功績
2. 社会課題をアイディアで解決する天才、プロデューサー・小国士朗
└学生の頃、共同代表の相方に金を持ち逃げされていた!?
└新人ディレクター時代突きつけられたある一言が今の自分をつくっている
└没入したドキュメンタリー制作の現場と心臓発作による強制終了
└大ヒット『プロフェッショナル 私の流儀アプリ』の裏側
└笑える革命!?笑えない「社会課題」の見え方が、180度変わったプロジェクト
└「deleteC」から学ぶ、人を動かすコツとは?
3. 小松成美の心に残る、あのフレーズ
4. お知らせ
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1. 成美のつぶやき
世界的な指揮者・小澤征爾の功績
2024年2月6日、世界を舞台に活躍した指揮者・小澤征爾(おざわ せいじ)さんが逝去されました。享年88歳でした。晩年、病と闘っていた小澤さんは車椅子に乗ってなお指揮をする「命ある限り指揮棒を離さない」姿が目に焼きついています。
小澤さんには直接インタビューしたことはないのですが、もちろん小澤さん指揮のコンサートは何度も鑑賞しています。
ボストン交響楽団でも新日本フィルハーモニー交響楽団でも、若い小澤さんのエネルギッシュな指揮は観客を魅了しました。
1992年からスタートした「サイトウ・キネン・フェスティバル松本(現セイジ・オザワ 松本フェスティバル)」で小澤さんが精力的に誰よりも楽しそうに飛び回る姿も忘れることができません。
1998年の長野オリンピック開会式はテレビでの鑑賞でしたが、国内外の演奏家を集めた特別編成のオーケストラを指揮し、5大陸の合唱を衛星中継でつないで演奏したベートーベンの「第9」は、本当に感動的でした。
衛生中継でライブ映像を見ながら大興奮したのは、2002年のウィーン・フィルのニューイヤーコンサート。アジア人として初めて、ハプスブルク王朝時代からの伝統文化を継承する世界最高のオーケストラ、ウィーン・フィルのニューイヤーコンサートの指揮台に立った小澤さんの指揮は圧巻でした。今でも時々、このDVDを観ています。
小澤さんは1935年、中国のシャンヤン(旧奉天)生まれ。幼いころからピアノを弾くことが大好きで、桐朋学園で人生の恩師となる齋藤秀雄に指揮を学びます。59年にフランスのブザンソン指揮者コンクールで第1位を獲得すると、国際舞台に踊り出し、ラヤン、バーンスタインに師事しながらその名声を高めていきました。73年に就任したボストン交響楽団の音楽監督は、29年にわたって務め、その名を国際的に高めたのです。
小澤征爾さんの詳しいプロフィールは以下です。
小澤征爾プロフィール | セイジ・オザワ 松本フェスティバル 公式サイトより
皆さんは、交響楽団の指揮者にどのようなイメージを持っていますか。
楽器も弾かない、歌も歌わないその人は、オーケストラを前に指揮台の上で指揮棒や腕を振っています。あんなこと誰にでもできる、と思いがちですが、もちろん誰にでもできるはずがありません。指揮者の力量によってその演奏は天と地ほど変わってしまいます。
私は同じ楽曲でも、ヘルベルト・フォン・カラヤン、レーナード・バーンスタイン、カルロス・クライバー、小澤征爾さん、と、指揮者ごとにレコードやCDを買っています。
今一番ハマっているのはサー・サイモン・ラトルというイギリス人のマエストロです。
Simon Rattle - Rachmaninov: Symphonic Dances; The Bells - Full EPK Simon Rattle YouTubeチャンネル(@simonrattleofficial)より
小澤さんが天に召されたことをきっかけに、指揮者について考えてみました。
指揮者は、オーケストラの音楽をまとめ上げる重要な存在です。彼らは、演奏家たちを導き、旋律に命を与えていきます。繊細なニュアンスや表現を伝えるために指示を出し、全体のバランスを保ちながら、感情や表現を引き出します。
オーケストラの中央に立っているのは、音楽の解釈や表現を決定する重要な役割を果たしているからで、つまり、彼らこそオーケストラの演奏がどのように聴衆に響くかを決定するその決定者なのです。
また、指揮者はオーケストラと観客を結びつける役割を担ってもいます。彼らの情熱やエネルギーは、演奏会場にいる人々に感動や興奮を与え、音楽の魅力を共有する機会を提供しています。
指揮者は、演奏をまとめ上げるだけでなく、芸術家や指導者としての側面も持ち合わせています。その熱意や才能は、交響楽団の演奏をもっとも美しく輝かせる要素の一つであり、彼らなしでは、素晴らしい音楽の誕生、成長は成り立たないでしょう。
それはもう、音楽の「魔法使い」とも言える存在です。
彼らの存在が、音楽の美しさや力強さを世界中に広めていくのです。
その証となる小澤征爾さん指揮によるベートーベン交響第5番 (運命)をお聞きください。
Seiji Ozawa Beethoven 交響曲 No 5(運命)| 小林一夫 YouTubeチャンネル(@user-ym9nv4ip8z)より
日本のクラッシック音楽の力をその指揮で世界に届けた小澤征爾さんのご冥福をお祈りいたします。
2. 社会課題をアイディアで解決する天才、プロデューサー・小国士朗
私が最も尊敬するクリエイターであり・プロデューサーである小国士朗さん。彼は作り手であると同時に、会社の社長であり、NPOの代表理事でもあります。
マルチな才能を発揮する小国さんは、大きな話題となったプロジェクトやコンテンツを常に世の中に送り出しています。
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