第304号(2024年3月1日号)
『最後の調停官 島田久仁彦の無敵の交渉・コミュニケーション術』
はじめに:
いつもメルマガ『最後の調停官 島田久仁彦の無敵の交渉・コミュニケーション術』をお読みいただきありがとうございます。
時間が経つのは早いもので、もう3月に入りました。
さて、今週号の内容ですが、まず【1】の
『無敵の交渉・コミュニケーション術』のコーナーでは、引き続き
【危機管理の交渉術(Crisis Negotiation】についてお話しします。
先週号ではHostage NegotiatorのDrill(決まり事)についてお話ししました。
今週号ではHostage Negotiatorの例を参考に
【緊張感あふれる緊急事態の最前線における危機管理の交渉術のテクニック】についてお話しいたします。
その注目の内容は、本編をお楽しみに♪
次に【2―国際情勢の裏側】ですが、今週もいろいろな動きを見せています。
一つ目は【スウェーデンがNATOに加盟し、これでバルト海をNATO加盟国が包囲する形になったこと】についてです。
最後までスウェーデンの加盟を渋っていたハンガリー議会が承認したことで、
2月26日、晴れてスウェーデンがNATO第32番目の加盟国になり、そしてバルト海はNATO加盟国が包囲する形になりました。
それはつまりロシアの最西端(バルト海に面する)、第2の都市サンクトペテルブルクも、
そして飛び地カリーニングラードもバルト海を挟んでNATO加盟国と対峙することになることを意味します。
ロシア軍の西方面の軍事活動を抑止する効果が期待されているようですが、果たしてどうでしょうか?
二つ目は【ウクライナの背後にいるNATOの“分裂”が意味するもの】についてです。
スウェーデンがNATOに正式加盟したのと同じ日、2月26日にフランス・パリで開催されたウクライナ復興支援会議の場で、
ホストのマクロン大統領が
『ウクライナの敗北を食い止めるためには、地上部隊の派兵を含む考えうるすべてのオプションを講じなくてはならない』
と発言し、即座にNATO諸国(アメリカ、英国、ドイツ、そしてNATO事務局長)が
『これまでにも、これからも地上部隊をウクライナに投入するつもりはない』と打ち消し、
マクロン発言への不快感を示しました。
マクロン大統領としては、フランスはウクライナを支え続けることと、
その中でリーダーシップと取りたいと考えていることなどが、この発言の裏にあったのだと推測しますが、
実際のところはどうだったのでしょうか?
今後のロシアに対する欧米の姿勢がどうなるのかを占ううえでそれを解き明かすことが大事であると考えます。
三つ目は【イスラエルの孤立の深まりとガザの地獄、そして再編前夜の中東地域】についてです。
ガザ全土での悲劇に終わりが見えず、ラファに迫りくるイスラエルの脅威が拡大する中、
カタールとエジプトは何とか悲劇を食い止めようと非常にデリケートかつ困難な交渉を続けています。
ただここにきてバイデン大統領が『3月4日までに合意が成立するだろう』という“見込み”を公に発言し、
これがエジプトとカタール、イスラエルを混乱させ、互いに対する信頼を揺るがしかねない非常事態に陥っています。
合意に向けた努力は行われていますが、その話し合いの場にハマスの代表はおらず、かつイスラエル代表団も、
必ずしもネタニエフ首相や戦時内閣と同じスタンスで交渉に臨んでいるようには思えない対応をしているように見受けられます。
特にネタニエフ首相については、ハマスの解体とイスラエルによるガザの管理を謳っており、
これはまた仲介国の考えとは相いれないため、非常な混乱を生んでいます。
【2-国際情勢の裏側】では、
【世界を巻き込む2つの戦争が導き出すのは協調か完全な分断か】
と題してお送りいたします。
今回のメルマガも長くなりましたが、どうぞ最後までお付き合いくださいね。
それでは今週号、スタートします★
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