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【もくじ】 1) 風評被害を振り撒く輩 2) 北海道で垣間見た現代社会の問題点 1) 風評被害を振り撒く輩 東京電力福島第一原発の処理水の海洋放出が2023年8月に始まって6カ月が過ぎた。しかし、これまで汚染水漏れや作業員が汚染水を浴びるなどトラブルも発生している。東京電力に対して、批判の声も上がっている。 この機に乗じて政府批判を強める輩がいる。 その代表例が、共産党の志位元委員長、社民党の福島党首、れいわ新選組の山本代表だ。 ほかにもいるが、この3人は国会議員である、政党の代表だけに、その言動がとくに取り上げられる。 そして共通しているのは、お三方とも「処理水」を「汚染水」と表現していることだ。 処理水は多核種除去設備(ALPS)によって汚染物質を安全基準以下に薄めているので「ALPS処理水」あるいは「処理水」と呼ばれている。 この基準についてIAEA(国際原子力機関)からも、安全性についてお墨付きももらっている。それなのにこのお三方をはじめとする方々は、なぜ「汚水水」とレッテル貼りをして風評被害を振り撒くのだろうか。 ヒントの一つに、このお三方がいわゆる「左派」「野党」ということも関係していないだろうか。つまり科学的根拠など関係なく、ただ政府のやることなすことに反対するのが目的ではないだろうか。もちろんそこには彼らなりの「正義」はあるだろう。確かに処理水といえども、まったく放射線物質が100%完全に除去されているわけではない。 0か100か、白か黒か、全てかゼロかといった思考しかない(ワタシに言わせると)原理主義的思考は大いに「邪魔」でしかない。 「口」のなかに入るものは、健康に直接、影響を与えるだけにこういった問題は、感情に流されやすい。 風評被害を垂れ流す輩はそこを狙ってくる。けっして科学的でもなく、きちんとしたデータでもなく、ただそこにあるのは煽られた感情だけだ。 たとえば食品添加物は健康に悪いと思い込んでいる人が驚くほど多い。しかも一生、口にするものだけに厳しい安全基準が設けられている。しかし、たとえばは発がん物質といわれるものでも、完全に排除できるものではない。 食品安全委員会が設置されたのは2003年。以来20年が経過しているが、食品添加物で健康被害が発生した事例はない(アレルギーは別問題)。 外国の中にも「処理水」を「汚染水」と呼び、処理水の海洋放出に反対している国がある。 中国だ。 さらに日本からの海産物の輸入を禁止するなど嫌がらせを続けている。 日中の対立を背景にした対抗策にも思えるが、ワタシにはもう一つ、日本の汚染水処理技術を盗みたいという思惑があるのではないか、などという邪推もある。 また、海洋資源の分捕り合戦の余波もあるのではないか。 中国が汚染されている魚と決めつけている海域では、中国漁船も操業を行ない、その魚を自国内で堂々と流通させているというふざけた所業を行なっている。まさにダブルスタンダードだ。 中国向けの輸出が途絶え行き場がなくなった海産物を、他国に輸出する模索が続いているという。また、国内でもホタテなどの消費を高めようという機運も高まっている。ワタシも少しでも協力しようと努力し、実際に実行もしている。 国内内外の風評被害を巻き起こす輩に負けるわけにはいかない。 2) 北海道で垣間見た現代社会の問題点 北海道に仕事を兼ねて2泊3日の旅行に出かけた。 メインは流氷見学ツアー。 (写真はフェイスブックにアップした) 札幌をバスで朝8時20分に出発、オホーツク海に面した紋別市まで日帰り、札幌市戻りは夜9時過ぎという強行軍だ。 残念ながらオホーツク海での砕氷船に乗っての見学は、強風のため船が出航できずにできなかったが、岸辺からでも流氷はみることができた。船に乗れなかった分、博物館でいろいろ勉強できた。 また現地の人に聞けば、流氷は温暖化のためか年とともに押し寄せる量は減っている。衛星写真で見ても流氷の面積は縮まり、流氷の厚さも薄くなっているという。 オホーツクの海は世界的にも海産資源に恵まれた海だ。流氷に乗って大量のフランクトンが運ばれ、それが海の幸のもとになっている。 さらに漁師たちを不安がらせているのが、温暖化だ。獲れる魚種が少しずつ変化しているのは、テレビのニュースでも取り上げられている。 札幌市内での気温はだいたい零下5度、紋別ではそれより低かったと思うが、それだけでは温暖化は実感できなかったが。 これは紋別ではなく、翌日に行った小樽の骨董屋で聴いた話だ。 小樽の海沿いでよく釣りをやっている骨董屋のオヤジが言うには、 「昔では連れなかったハゼが、ここ数年釣れるようになった」と。 間違いなく、温暖化による生態系の変化は起きている。 マグロのブランドである大間産も、そのうち北に移っているのではないかと、余計な心配もしたりした。 流氷ツアーでのランチは紋別市内の海産物店で。種類は事前に予約しておくがワタシらはそこそこ豪華な海鮮丼を選択。価格は選択できるメニューのなかでは安いほうだった。最高値のメニューは、タラバガニのBBQ。中国人観光客は、ほぼ全員がその高価なタラバガニの焼き物。潤沢な資金で日本の海産物がどんどん外国人の胃袋に消えていくのが、少し哀しかったが。 「日本の海産物は汚染魚だ」という中国当局の主張は、中国人観光客の耳には届いていないらしい。 ツアー客の半分か半分近くは中国人だったようだ、いわゆる欧米系の客はいなかった。札幌や小樽では欧米系らしく観光客を多く見かけたが流氷ツアーのなかには皆無だった。 北海道はまた、国境の地でもある。小樽の港では、海上保安庁の巡視船2隻を見かけた。根室港あたりから出る巡視船は、いわゆる北方領土近海での日本の漁船とロシア船との緊迫したにらみ合いがある。だがロシアはウクライナ侵攻のかわりに、北海道侵攻を企てていたというウワサもある(あくまで都市伝説の類であってほしい)。 お土産物屋でタラバガニ等をよく見かけるが、日本産のほかにロシア産の表示もあった。ロシアからの輸入は、ウクライナ侵攻で経済制裁の一環で途絶えていると思っていたが、そのあたりには微妙な問題もありそうで、ワタシは口を閉ざした。 ただ「北方領土が帰ってくれば、カニはもっと多く獲れるでしょうね」 お土産物屋のおばさんは笑って「そうですね」と。

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