メルマガ読むならアプリが便利
アプリで開く

【痛くない死に方 2024年第9号】まるで内ゲバ!? ワクチン反対派の分裂を止められるのか?

長尾和宏の「痛くない死に方」
  • 2024/03/02
    • シェアする
2024年 第9号 【長尾和宏の痛くない死に方】 長尾和宏です。 配信が遅れて申し訳ありません。昨日まで友人に会いにタイに行っていました。 タイに行くのは8年ぶり、かな?  8年という時間は、都市の景色を変える。 空港も、バンコクの街も、8年前とはくらべものにならないほど綺麗に機能的に なっていた。日本人の旅行者はあまりいない。学生旅行の団体がちらほら。 昼間は35度を超す街は、活気に満ちている。老若男女が笑顔で会話をし、シンハ ビールを呑みかわす。自由。そしてエネルギー。今の日本が、失っているもの。 この年末年始はトルコに行ったけれど、その都市・都市で感じたのはやはり、 今の日本では見当たらなくなった、人間の笑顔あふれるエネルギー。 失われた20年、そしてコロナで失われて4年で、日本人は一体何に負けたのだろう …そんなことを考えて、旅をすることが多くなった。 8年前は、タイの北部、ラオスとの国境近くにあるコンケンという農村地帯で 満足な医療にアクセスできずに亡くなっていくご老人を間近で見てきた。 犬も人間も、食べられなくなったなら、土間のようなところで寝る。ときどきお坊さん が、その辛さを聞きに来る。それでも、子供たちの遊び声や、いつもと変わらぬ料理の 匂いを嗅いで、ゆっくりと人生を終わる最期は、悪くない。というか、昔からずっと 人間って、こうやって生きてきたんじゃないの? そう思える景色であった。 タイは、微笑みの国というだけあってみんな本当に笑顔が素敵だ。 笑顔の多い国は、やっぱり幸福だと思う。幸福になるなんて、ほんとうはとてもシンプル なことだし、健康状態ととても深くつながっている。 美味しいごはんと、すてきな仲間と、十分な睡眠と休暇。 言い換えれば、競争社会に浸りすぎて、それらを削っていくうちに、人は何が幸福かを 忘れてしまう。古の人はただただ、食べるものを求めて暮らしていたはずだ。 農作が定着する前は、男は狩りに出かけ、女は家を守った。それが、農耕社会が拡大する 中で、食糧が安定すると、家族で一緒に過ごせる時間も多くなり、こんどは人間は、 「いかに美味しい物を食べるか?」に苦心するようになった。 先月、上野にある国立科学博物館に「和食展」という不思議な特別展を見学に行った。 科学博物館は、恐竜や動物の展示ばかりだと思っていたら、こんなこともするんだと。 僕は最近、遅ればせながら栄養学に関心が出てきたので勉強のつもりで行ったのだけど こんな展示会、誰が来るんかなあと思いきや…平日の午前中だというのに、とても混んで いて驚いた。やっぱりみな、世代を超えて「食」に興味があるのだとあらためて気づいた。 「和食展」はまさに、食の歴史を古代から現在まで絵巻物のように展示してくれている とてもわかりやすいものであった。今、大河ドラマは柄本佑くんで「光る君へ」をやって いるけれど、和食の基本は、だいたい源氏物語で描かれている平安時代には確立されている ことがよくわかった。基本は米、そして出汁。さらに特徴的なのは、発酵食、かな。 さて、我々は、米からどれくらいの食材を作り出したと思いますか? 米からは粥、ごはん、おこわ、お餅、米粉。そして米粉から団子や和菓子ができた。 さらに酒がある。さらに絞り滓からは米油ができる。

この続きを見るには

この記事は約 NaN 分で読めます( NaN 文字 / 画像 NaN 枚)
これはバックナンバーです
  • シェアする
まぐまぐリーダーアプリ ダウンロードはこちら
  • 長尾和宏の「痛くない死に方」
  • 本邦初!100パーセント「死」のことについて語るメルマガ。2000人以上を看取った医師であり、日本尊厳死協会副理事として、日々「死」と向き合う医師と一緒に、死に方について考えませんか? 家族の死と向き合わなければならない人、大切な人が死んで、喪失感から抜け出せない人、今、どうしようもなく「死にたい」人も……あなたのこころに届くメッセージが満載です。
  • 660円 / 月(税込)
  • 毎週 土曜日(年末年始を除く)