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第109回 台湾有事を喧伝した日本メディアはなぜ金門漁船衝突で緊張を高める台湾海峡に冷めているのか

富坂聰の「目からうろこの中国解説」
 台湾有事の危険が高まるパターンの一つに、中国と台湾それぞれの市民が熱狂し、感情をぶつけ合うケースが想定される。双方の民意が妥協を許さなければ、政治がそれに抗うことは難しいからだ。  世論を沸騰させる切っ掛けはさまざまあるが、どちらかに犠牲者が出るトラブルは感情的になりやすい。なかでも一方が当局者で犠牲者が民間人である場合は最悪だ。  つまり2月14日、金門島沖で大陸の漁船が転覆した事故は、両岸の緊張を一気に高めかねない問題なのだ。  現場では、4人の漁師が海に投げ出され、2人が亡くなっている。犠牲になった漁師たちには家族もいる。同情の声は瞬く間に大陸に広がり、習近平政権を激しく突き上げる声となった。  こうなれば中国側も、国民に分かりやすい形で「怒り」をアピールをしなければ収まらない。ただでさえデリケートな海域で、中台がにらみ合い、チキンレースのような状態に陥れば、次にどんなハプニングが起きても不思議ではない。

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