【ベンツと馬車】
「あーっ!」
ある時、ユキオの講演会に行くときに、ユキオのお姉さんを乗せて向かっていた。
ユキオのお姉さんもいつの間にかユキオの生徒になっていたのです。
とても気の強いお姉さんだった。
子供の頃から、ユキオはお姉さんの言いなりで、母親と同じように厳しく育てられた話をよく聞いていたので、緊張していた。
「みつお、青だよ早く行きなさい」
「あっ、はいすみません」
信号待ちで少しでも発信が遅れるとすぐに指摘された。
「みつお、次の信号を右ね」
「あ、はい」
別に道は知っているのだが、ユキオのお姉さんが指示をするので、それに抵抗せずにしたがっていた。
「ちょっとそこのコンビニに入ってちょうだい」
「はい」
みつおも降りて、いつものコーヒーを買ったのだが
「あんた、そんなのばっかり飲んでると身体に悪いよ、添加物と砂糖しか入ってないんだよ」
「あ、すみません」
ちょっとしたことですぐに説教されるのであった。
そして再び、講演会の会場に向かったその時だった。
「あっ!」
何と車のエンジンルームから煙がモクモクと出てきたのである。
「何?なんなの?」
車を左側に止めて、車を降りた。
ユキオのお姉さんはパニックになっている。
「爆発するんじゃないの?」
お姉さんはびっくりして車から離れた。
みつおには理由が分かっていた。
ラジエターに穴があいているので、水を補給しながら走るしかなかったのである。
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