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第253号 保身のための大量虐殺/ホイットニーな日々/春眠/首を長くして待っていたニュース

きっこのメルマガ
  • 2024/03/06
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「保身のための大量虐殺」 ようやく「先に手を出したのはハマスの方だ」などと言い出すリテラシーの欠落した日本人は絶滅危惧種となって来ましたが、それでも未だに日本の一部マスコミが、イスラエル側、アメリカ側のダブスタ偏向報道をそのまま垂れ流しているため、状況を正しく理解していない日本人が数多くいるようです。 たとえば、2月29日にガザ地区北部のガザ市に入った支援物資の輸送トラックに、数百人の市民が殺到し、115人が死亡、760人が負傷したという事件がありました。当初、現地の保健当局は「イスラエル軍の兵士らが群衆に向けて無差別発砲を繰り返し多くの市民が射殺された」と発表しました。 すると、すぐにイスラエル側が「イスラエル軍は暴徒化した市民を沈静化するために空に向かって警告射撃をしただけだ。死者の多くは自分たちで押し合って死亡した」と反論しました。そして、翌日になるとイスラエル側は「輸送トラックが群衆から逃げようとして多くの市民をひき殺した」と説明を変えました。 しかし、200人以上の負傷者が搬送された現地のシファ病院を視察した国連人道問題調整事務所(OCHA)の担当者は「多くの市民が銃撃による負傷の治療をしていた」と報告しました。また、別の病院を取材したAP通信のアメリカ人記者は「搬送された176人の負傷者のうち142人が銃撃による負傷で、残る34人が押し倒されるなどの負傷だった」と報じました。 こうした一連の報道のうち、たまたまイスラエル側の発表をそのまま報じた日本のニュースだけを見聞きした日本人は、真実を知らぬまま、ガザ市民の自業自得だと思い込む人も少なくないと思います。しかし、もしもイスラエル側の発表の通りだったとしても、そもそもはイスラエル軍が食料や医薬品などの支援物資の搬入を妨害し、兵糧攻めで多くのガザ市民を飢餓状態に陥らせていることが原因なのです。 また、6週間の休戦を軸に進められているエジプト・カイロでの間接協議についても、イスラエルのネタニヤフ首相は「ハマスの回答は不十分」と述べて代表団の派遣を保留し、イスラエルの閣僚の証言として「ハマスは休戦合意に関心がないと述べた」と発表しました。日本のマスコミも、これらイスラエル側の発表を鵜呑みにし、「イスラエル側は休戦案を大筋で受け入れたが、ハマス側が拒否している」などと報じたのです。 しかし、ハマス側の代表団は3日の時点でエジプト・カイロに到着し、3日と4日、すでに仲介役のエジプトやカタール、米政府関係者らと休戦案を協議しているのです。イスラエルの閣僚が言うように「休戦合意に関心がない」のであれば、カイロでの間接協議にハマスが代表団を送るはずはなく、実際に協議することもないでしょう。この事実ひとつを見ても、ネタニヤフ首相の言っていること、イスラエル政府の言っていることは、嘘だらけなのです。 とにかく、ネタニヤフ首相は1日でも長くガザへの攻撃を続けたいのです。何故なら、もともとネタニヤフ首相は収賄罪や背任罪など3つの罪で裁判中の身であり、現在は緊急事態のため裁判がストップしているだけなのです。ガザへの攻撃が終われば裁判が再開され、そうなれば有罪になる確率が高く、有罪になれば長期の実刑となり失脚です。さらには、今回のハマスの一斉攻撃で多くの国民を犠牲にしてしまった責任や、多くの人質を取られてしまった責任も追及されるため、これで人生がジ・エンドなのです。 こうした裏の事情を知れば、どれほど国際社会から批判されても、ネタニヤフ首相が頑としてガザへの一方的な攻撃をやめないことに合点が行くでしょう。つまり、ネタニヤフ首相は自分の保身のために、ガザ市民たちを虐殺し続けているのです。ちなみに、これまでにイスラエル軍に虐殺されたガザ市民は3万人を越え、このうち1万5000人以上が子ども、1万人以上が女性です。 そして、ネタニヤフ首相は自分の裁判を再開させないために、現在の「6週間の休戦協議」が仮に合意に至ったとしても、休戦後には地上部隊をガザへ侵攻させると公言しています。そうなれば、さらに多くの市民が虐殺されます。

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