▼第67号
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2024/3/8
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ブラック企業アナリスト 新田 龍のブラック事件簿
Vol.067
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インデックス
【知られざる「下請けいじめ」の実態と、被害に遭わないための予防対策法】
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【知られざる「下請けいじめ」の実態と、被害に遭わないための予防対策法】
先日、ユニークなハンコが発売され話題になっている。「言いづら印」という
名称で、「そんなに安く出来ません」「不当な返品はやめて」「やり直しならお金
払って」といった、文字通り「下請け企業が言いづらい本音を代弁するメッセージ」
が格調高い印相体で刻印された本格的な印鑑だ。製造元の印鑑メーカーは、
「発注企業が受注企業に対して不当な要求をおこなう『下請けいじめ』の問題を
多くの人に知ってもらいたい」との意志で商品化したとのことだ。(「下請け企業の
言えない本音を代弁する 言いづら印」
https://typo.shop-pro.jp/?mode=f7)
「大手メーカーが、下請けのメーカーに作らせた製品を仕入れる際、契約時の正規
料金から『事務手数料』という名目で一定金額を差し引いた代金を支払っていた」
「有名和菓子店が、下請けの食品工場から納入された菓子を販売したが予想より
売れなかったため、品質検査を実施していなかったにもかかわらず『品質に
瑕疵がある』との理由で当該商品を返品し、下請け会社に引き取らせた」
「大手ホームセンターが、自社店舗の商品入れ替えや陳列作業を手伝わせるために、
自社で販売している商品を納品する下請けメーカーに対して従業員派遣を
要請し、無償で働かせた」
ある企業が、自社で販売/使用する商品や製品を発注している下請け企業に対して、
不当な値切り行為や支払遅延をおこなったり、相手側に非がないにも関わらず、
受け取り拒否や返品などをおこなったりする行為を総称して「下請けいじめ」と
呼ばれる。
発注企業側としても、下請け企業からの納品がなければビジネスを進められない
わけであるから、建前上は両社対等の立場であるはずだ。しかしどうしても
「発注側」と「受注側」という関係性が生まれる以上、上下関係が発生してしまう
ことは避けられない。そんな背景から、元請け(発注側)の立場を悪用した、下請け
(受注側)へのパワハラが、多くのビジネス現場において深刻な問題となっている。
ちなみに冒頭の事例はいずれも、直近数年内で実際に発生し、公正取引委員会から
勧告を受けて報道発表されたケースだ。
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