第305号(2024年3月8日号)
『最後の調停官 島田久仁彦の無敵の交渉・コミュニケーション術』
はじめに:
いつもメルマガ『最後の調停官 島田久仁彦の無敵の交渉・コミュニケーション術』をお読みいただきありがとうございます。
時間が経つのは早いもので、もう3月に入りました。
さて、今週号の内容ですが、まず【1】の
『無敵の交渉・コミュニケーション術』のコーナーでは、引き続き
【危機管理の交渉術(Crisis Negotiation】についてお話しします。
先週号ではHostage Negotiatorのテクニックと心理が
いかにビジネスや日常生活における緊急事態・危機管理の交渉術でも役立つかについてお話しし、
具体的なスキルと心理について紹介しました。
一つ目が【Talk to meの心理によって相手とのラポートを築き、信頼関係を作ること】
そして二つ目が【急いては事を仕損じる(Be patient)】でした。
今日はその続きです。
その注目の内容は、本編をお楽しみに♪
次に【2―国際情勢の裏側】ですが、今週もいろいろな動きを見せています。
一つ目は【ウクライナの孤独な戦い―ロシアの狙いと欧米の失敗】についてです。
2022年2月24日のロシアによるウクライナ侵攻からもう2年以上経ちました。
当初は数日でロシアがウクライナを占領して終わると思われていた戦争も、一進一退の攻防を続けて2年以上が経過しました。
ウクライナは起死回生を狙って昨年6月に満を持して反転攻勢を仕掛けますが、
手ぐすねを引いて待っていたロシアの待ち伏せに遭い、9か月経った今、
『反転攻勢は失敗した』というのが共通した認識です。
その失敗の原因は何だったのか?
そしてロシア・プーチン大統領の本当の狙いは何なのか?
圧倒的に不利な状況に置かれていると言われても、ウクライナが戦争を続けなくてはならない理由は何なのか?
これまで様々な形で携わってきた立場と得てきた情報をもとに行った分析で分かってきたことを
【2‐国際情勢の裏側】でお話ししたいと思います。
二つ目は【絶望的が広がるガザ‐イスラエルの強気とジレンマ・煮え切らぬアメリカとアラブ社会】についてです。
ガザ全土での死者数がついに3万人を超え、広がる絶望感と国際社会の無力さが鮮明になる中、
繰り広げられる悲劇に終わりが見えない中、カタールとエジプトは何とか悲劇を食い止めようと
非常にデリケートかつ困難な交渉を続けています。
イスラエル政府が6週間の戦闘停止を受け入れる姿勢を示していますが、
イスラエル政府がハマスに要求する人質リストの提出という条件に、ハマスが異常なまでの反感を示しています。
正直、この条件に反対する理由が理解できませんが、交渉はまた困難を極めています。
ハマスは相変わらず、永続的な停戦の実現と、イスラエル軍のガザ地区全域からの完全撤退を条件に、
人質解放に応じる姿勢を示していますが、
『ハマスの壊滅や解散』を最低条件に掲げるイスラエルは、ハマスの要求・提案を一蹴し、こ
ちらもまた事態打開の糸口にはなりそうにありません。
カイロで開催されている仲介会議にハマスは代表団を送り、
エジプト・カタール・米国の仲介チームとかなり突っ込んだ協議を行いましたが、
その場にイスラエル政府は代表団を送らず、イスラエルとハマスの直接的な対話の機会は未だに設定されていません。
これまでのところ双方と唯一チャンネルを持つカタール政府がイスラエルとハマスの間に入って、
まるで伝言ゲームのように互いの要求を相手方に伝える役割を担っていますが、
カタール政府の仲介担当曰く
『このプロセスもそろそろ限界が来ている。何とか直接的に意見を交わす物理的な機会を設けなくてはならないが、
その見込みはほとんどない。』というように、こちらもまた行き詰まり感が高まっています。
イスラエルが国際社会における孤立を深める中、皮肉にもUNRWAの存在が良くも悪くも解決のカギになるかもしれないことを、UNRWAを非難するイスラエルも暗に認めています。
日本を含む18の国々がUNRWAへの支援を即時停止し、その存続が危機的状況に陥る中、
パレスチナ支援の受け皿であるUNRWAなしにガザの人道支援が行えるのか、非常に微妙な状況です。
【2-国際情勢の裏側】では、
【国際社会による“放置”のツケが生み出した取り返しのつかない悲劇‐ウクライナとパレスチナ】
と題してお送りいたします。
今回のメルマガも長くなりましたが、どうぞ最後までお付き合いくださいね。
それでは今週号、スタートします★
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