さてそんな時代、すごく雑にざっくり言うとトム・クルーズの『カクテ
ル』と『ハスラー2』がヒットしたせいで、都心では雨後の筍のようにプ
ールバーが乱立しました。雀荘がプールバーになり、居酒屋がプールバー
になり、少し前に大ブームとなっていたカフェバーの中にもプールバーに
鞍替えするところが出てきたりしました。「カフェバー」という言葉には
っきりした定義はありませんが、基本的には『村さ来』や『養老乃瀧』み
たいな居酒屋ってダサくてオッサン臭くてやーね、という層にアピールす
る、オシャレで(といっても輸入雑貨屋的な「フィフティーズ感」「西海
岸感」「ニューヨーク感」のような、ボンヤリした「アメリカン」さが
「オシャレ」と思われていただけだと思いますが)、酎ハイや熱燗の代わ
りに横文字のカクテルをバーテンが出してくれて、ついでに適当な軽食も
食えるようなところ、というような店が「カフェバー」とみなされていた
と思います。ああそうそう、その頃は三上晴子的な「デッドテック」感も
持て囃されていたので、天井の配線や配管をわざとむき出しにして、それ
を全部真っ黒に塗りつぶして、で、天井の数カ所からテレビを吊るして画
面に『ブレードランナー』とか『コヤニスカッティ』のビデを流している
ようなカフェバーもよくありました。と書いていますが、正直当時はそう
いうのがめっちゃクールだと思ったものでした。
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