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馬渕治好の週刊「世界経済・市場花だより」
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第663号(2024/3/10) 「日銀騒ぎ」の週だったが、行き過ぎた株高・円安の自律崩壊が主要因/材料は多いが、翌週の日銀会合が注視されよう
この週刊「世界経済・市場花だより」は、めまぐるしく変化する世界の経済や市場の動きなどについて、ブーケ・ド・フルーレット馬渕治好が、わかりやすく解説します。
※ 自主開催セミナーの予定です(カッコ内は、現時点でのお申し込み数/定員、です)。残席は、10を下回った場合に表記します。
3/30(土)名古屋(4/25)
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4/13(土)ウェブ(4/150)
4/20(土)札幌(5/25)
4/27(土)高岡(1/25)
6/1(土)大阪(2/18)
6/15(土)横浜(1/20)
6/29(土)福岡(0/20)
7/13(土)浅草(8/20)
7/27(土)ウェブ(1/150)
セミナーのスケジュールは、
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3/23(土)東京会場ライブ及び録画視聴(アスリーム主催)
☆過ぎし花~先週(3/4~3/8)の世界経済・市場を振り返って
<「日銀騒ぎ」で日本株安・円高が進んだが、それは日銀の早期緩和縮小観測がもたらしたというより、行き過ぎた日本株高や円安が自律崩壊したため>
(まとめ)
先週は、外貨市場で全面的と言ってもよい円高が進み(加えて、いくばくかの米ドル安も進行して)、米ドル円相場は一時1ドル146円台に入りました。こうした円高を受けてか、日経平均株価も軟化し、4万円を若干ながら割り込みました。
こうした市場動向の背景として、日銀の金融政策を巡る高官の発言や種々の観測報道が、挙げられます。ただし、日銀が近いうちに(3月か4月に)利上げを行なうことは既に広く予想されていましたし、金融政策の変更が大幅なものになるとは見込めません。
こうした点からは先週の日銀を巡る観測で騒ぐのは騒ぎ過ぎだと言えますが、それでも日本株安・円高が進んだのは、金融政策の先行きが大きな要因であったわけではなく、そもそも日本株が買われ過ぎ、円が売られ過ぎであって、特にきっかけがなくても株安・円高に向かっておかしくなかったところ、たまたま「日銀騒ぎ」がネタにされた、と解釈すべきでしょう。
米国では、引き続き弱めの経済指標が多く公表されました。週末(3/8、金)の雇用統計は強弱まだらだ、との解釈が多いようですが、実は弱いです。米国株価は徐々に景気悪化による下落基調の色合いを濃くし始めたと考えますし、週末にはこれまでの物色の柱であった半導体株も崩れ始めました。
(詳細)
先週の世界市場の動向で目を引いたのは、円高でした。後の騰落率ランキングでご紹介するように、先週は南アランド以外の通貨はすべて、対円で下落しました(円高になりました)。
米ドル円相場については、後述のように米国で弱い経済指標の発表が多く、「米景気悪化=米ドル安」の様相が濃くなって、米ドルは多くの主要通貨に対して下落したため、米ドル安・円高が進みました。一時1ドル146.47円までもの円高となり、週末は何とか147.06円に戻して引けています。
こうした円高の背景としては、日銀高官の発言や、マスコミによる種々の観測報道が挙げられます。具体的にどういった報道などがあったのか、またそうした材料をどう解釈すればよいのかについては、「盛りの花」で詳しく解説します。
ただ、元々3月、そうでなくても4月に、日銀が金融政策を変更するだろう、との見通しは広く唱えられており、日銀の金融政策変更は想定外の驚きではないはずです。また、日銀が急激な緩和縮小を進めるとも見込みにくいです。そうした点からは、あまり日銀の金融政策を騒ぐのは行き過ぎだと判断します。
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