【パチンコ理論】
みつおがスナックでボーイをしていた頃、昼間は暇さえあればパチンコに行っていた。
たまに、ユキオの所へ髪を切りに行っていたのだが、椅子に座って髪を切っているときに
「参ったよ、また負けたよ」
「何が?」
「パチンコ、最近負けっぱなしだよ」
「負けると思っているからじゃないか?」
「負けると思っていくわけないさ、いつも行く時は勝てると思ってるよ」
「じゃあ、何で負けるの?」
「だっからよ、なんでかね?」
「だから、負けると思ってるんだよ」
「そんなわけないだろ、負けると思っていたら行かないよ」
「じゃあ、何で行くの?」
「もしかしたら、今日は勝てるかもしれないと思うからさ、でもやっぱり負けるんだよ」
「やっぱりってことは、分かっていたってことだろ?」
「えっ?」
「俺は、勝てると思う時しかいかないよ、だからやっぱり勝つんだよ」
みつおは、この違いに食いついた。
「じゃあ、勝てると思ったら勝つのか?」
ユキオは、笑いながら
「やってみたら?」
と言い、ニタニタしていた。
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