メルマガ読むならアプリが便利
アプリで開く

ビジ選☆リーダーズ Vol.1037『高くてもバカ売れ!なんで?』(川上徹也)

ビジネス選書&サマリーリーダーズ
■値段が高いの壁を壊す コロナが5類に移行して大きな変化が生まれた。身の回りのあらゆ るものの物価が上がり続けるインフレ時代に突入した。手取りも変 わらない中、厳しい経済状況に置かれている。 働いても働いても給料が上がらない。値段を見て「高い」と感じ、 買うのをためらってしまうことが少なくない。だが、売り手側に立 てば値上げしたくて値上げしているわけではない。 原材料、人件費、物流費などの高騰で値上げが不可欠だ。日本だけ が安売りを続けていたら、世界から取り残される。値段が上がれば、 結果的に給与も上がっていくはずだという考え方もある。 値上げで売り上げが落ちこむとしたら、何のための値上げかわから ない。コロナ禍でも、アフターコロナでも、ヒット商品は出続けて いるし、中にはかなり高価格のものもある。 高くても売れるには理由があるのだ。こんな時代にコスパに疑問符 が付くのに、なぜか消費者の財布の紐が緩んでしまう商品がある。 その共通点をおさえることだ。 ★ 値段が高くても売れる商品は、感情が動く、気分が上がる、テンシ ョンが高くなるなどの共通点がある。人は、気持ちを高揚させるも のにはお金を出してしまう。だから高くても売れるのだ。 物やサービスを買ったり、店で飲食をしたりするときには、大きく 分けて2つのスタイルがある。一つが理性的な消費であり、もう一 つが感情的な消費だ。 たとえば、ドラッグストアで日用品を買うときは、値段、実用性、 利便性、知名度などを勘案して購入する。価格と品質のバランス、 いわゆるコスパを考えた理性的な消費になる。 一方、感情的な消費は、理性で考えるとコスパは良くないものだ。 「高い」と思いながらも、なぜか欲しくなり、買ってしまう。そん な消費スタイルがあるのだ。 ★ たとえば、普段は節約していても、タレントの推し活のためなら惜 しくない。応援しているスポーツチームのロゴ入りタオルや、旅先 で買ってしまうお土産も、コスパで考えれば不合理な買い物だ。 あるいは、自分へのご褒美として買うアクセサリーや高級時計、記 念日に使うレストランやプレゼントも感情優先の消費だ。デートで コスパを追求すれば、相手が不機嫌になりかねない。 経済的な余裕がなくなるインフレ時代には、人は合理的な消費行動 をとるものだ。 だが、それだけでは心は枯れてしまうし、満たさ れないものがある。 潜在的にそう理解しているからこそ、人は自分の感情を動かしてく れるものには価値を感じるのだ。そして、不合理でもお金を払いた くなるのだ。 ★ 商品やサービスを理性で売ると、価格や品質など合理的土俵の勝負 になる。この戦いの基本は効率だから、業界トップの大企業など、 効率に長けた組織に敵わない。同じ土俵では勝ち目がないのだ。 だから、何らかの形で消費者の感情を動かし、感情的な消費の土俵 に勝負を持ち込むことだ。これこそが、インフレ時代に高く売る秘 訣なのだ。 バカ売れにつながるキーワードがある。すなわち、アガる、プレゼ ント、自分メンテナンス、プチ贅沢、ご褒美、応援消費 レトロ、 エモい、ガチの7つだ。 これらは、完全に独立しているわけではなく、1つの商品にいくつ か重なり合ってることが多い。 たとえば「気分がアガる」という 要素は、多くのヒット商品に共通して存在するものだ。 このキーワードを軸に、消費者の感情を動かすポイントを分析する ことだ。これが理解できれば、自社の商品やサービスが高売れする アイデアを思いつくヒントになるはずだ。

この続きを見るには

この記事は約 NaN 分で読めます( NaN 文字 / 画像 NaN 枚)
これはバックナンバーです
  • シェアする
まぐまぐリーダーアプリ ダウンロードはこちら
  • ビジネス選書&サマリーリーダーズ
  • 「週に1冊くらいは最新のビジネス書を読みたい。でも多忙で無理」そんなあなたに代わり、経営コンサルタントの私が週に1冊厳選、要約して送ります。あなたは駅のホームや喫茶店、朝礼前に数分目を通すだけ。最新ビジネス書の概要が把握できます。70000名に支持される超人気マガジンの「グレードアップ完全版」です。バックナンバー一覧(https://www.mag2.com/archives/P0000498/ )
  • 550円 / 月(税込)
  • 毎月 第1月曜日・第2月曜日・第3月曜日・第4月曜日(年末年始を除く)