人間を考えるシリーズ1 どの道もいつか通った道
朝、起きるとFENをかける。あるいはカセットテープを回す。「音楽がなくなったら生きていけない!」と言って、反射的に僕は僕に「アホめ、一度、音楽なんか取り上げられた生活をするがいい死にはしないよ」とつぶやいてみせた。でもそうじゃない。
「音楽がなくなったら生きていけない!」という言葉は例えば「冷蔵庫がなくなったら生きていけない!」という言葉が、今の僕たちにとって真実のように真実だ。僕たちは様々な機能の中にいる。様々な機能の中にいる事によってつながれている。
いつだって僕たちは「もう、一歩だって後もどりは出来ない」ところで、かろうじて生を保ってこれたのだ。
個人は死ねば忘れるし忘れられるが、総体としての人間はまだ一度も忘れものをした事がない。こないだ読んだ本によると、人間にとって<精神の高み>というところへは既に1世紀にピークに達しているし、<芸術の高み>とやらへは16世紀に到達していて、科学も20世紀でピークだそうだ。ピークといえば、こういう例もある。
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