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第255号 高齢者は集団自決すべき?/猫の学校/続・初花/厚揚げとニンニクと九条と

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  • 2024/03/20
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「高齢者は集団自決すべき?」 キリンビールは3月13日、缶チューハイ「氷結無糖」の広告に3月から起用していた経済学者、成田悠輔氏のネット広告を、12日までに削除したと発表しました。成田氏は「高齢者は集団自決、集団切腹すべき」という自論を展開しており、このような人物を広告に起用したキリンビールに対して、ネットを中心に不買運動が広がったことが原因でした。 世の中には信じられないような考えの人もいますし、最近では炎上ビジネスのために意図的に過激な発言を繰り返す人もいますので、あたしは自分に実害が及ばない限り、基本はスルーです。しかし、成田氏の場合は、キリンビールだけでなく、あたしたち国民の納めている税金が原資である農水省や財務省が広報に起用していたのです。これは、一納税者として看過できません。 そう思っていたら、常に国民目線で政治と対峙している「れいわ新選組」の山本太郎代表が、3月15日の参議院予算委員会で、この問題を取り上げてくれたのです。紙面のスペースの都合上、途中までしか掲載できませんが、山本太郎代表の質疑を文字起こししましたので、以下、ぜひお読みください。 山本太郎代表「れいわ新選組、山本太郎です。資料1、今社会には、高齢者は集団自決、集団切腹すべきとの言説が存在します。選民意識、優性思想の塊り、あまりにも酷い言動で私は許せません。総理、少子化問題解決のためには、高齢者は集団自決、集団切腹するべきとお考えになりますか?」 岸田文雄首相「まず、まったくそんなことは考えるべきではないと思います。あの、いきなり、大変、私の常識からは外れたご指摘なので、それで、あの、解釈に理解しましたが、まったく、そのような認識はないと思います」 山本代表「ありがとうございます。その言葉を聞いて安心しました。そのような言葉が社会の中で踊っている。ネットの中で踊っているという現象があるので、総理にお聞きしました。高齢者は集団自決すべきという言葉や考え方は、まったくもって不適切であると、どうか総理から、国民に対して宣言していただけないでしょうか?」 岸田首相「ちょっと、その、あの、どなたがおっしゃったのか背景等は分かりませんが、委員から今お聞きする中にあっては、極めて不適切な発言ではないかと感じております」 山本代表「若者の負担を増やさないために、年寄りは死ね。そういった言説が社会で支持されるというのは異常です。高齢者が切り捨てられる社会では、障がい者も切り捨てられる。その次に切り捨てられるのは、あなたかもしれない。その先は、生産性が低い、役に立たないと、権力を持つ者たちが勝手な物差しで決めることになる。だからこそ、人間を切り捨てるような社会を許してはならない。誰もが年を取ります。穏やかで充実した人生を、すべての世代が送れるようにするのが政治のつとめ。資料2、高齢者は集団自決、集団切腹、この言葉の生みの親は、経済学者を名乗る成田悠輔氏。この発言を受けて、成田氏を広告に起用していた大手飲料メーカーは起用を取りやめたそうです。そらそうです。不買運動が広がったり、株価にまで影響する恐れがありますからね。個人として、このような考えを持つ者がいたとしても、何かしらの迷惑行為などが伴わず、勝手に自分の頭の中だけで考えている範囲ならば、それは究極、内心の自由ということになるかもしれません。他にも芸能の世界、ここにおいては過激な発言をすることで注目を集めたりして、仕事を増やすという手法は、一定あることはあります。それに乗るかそるか、仕事を増やすか否か、それぞれはメディアの判断、そこに政治が介入する話ではありません。問題は、民間ではない、政府がこのような考え方を持つ者をありがたがって、仕事を与え、飯の種を提供する。政府と仕事をしているいう実績を作っていることが問題なのです。資料3、4、農水省は昨年末、成田氏を広報番組に起用すると発表。数日後、成田氏を大臣に見立てた疑似大臣会見なるネット番組を配信。ここで忘れてならないのは、農業従事者の約7割が65歳以上の高齢者ということです。この7割の方々を切り捨てたとしたら、日本の農業、終わりです。農水省の人選、これ大丈夫ですか?資料5、財務省の広報誌ファイナンス、財務省、この広報誌を発行する目的って何ですか?」 宇波弘貴・財務省大臣官房「お答え申し上げます。財務省の広報誌ファイナンスでございますけど、これは国民の皆様を対象に財政や税の役割、その現状など財務省の政策内容を分かりやすく広報することを目的として発行しているものでございます」 山本代表「昨年の7月号では成田氏が5ページの記事、そこにゲストで登場しました。主計局と主税局の課長が一緒に対談。これらの事例は、彼が発言する前ではないんですよ。高齢者は集団自決、この発言の後に起用されているんですね。総理、これらの起用は、適切ではなかったとお認めいただきたいんです」 岸田首相「その、あの、ご指摘の発言をこの方がされたかどうかということ、それから、あの、う~、農水省等が起用した経緯、ちょっと承知しておりません。あの、しかし、いずれにしましても、先ほどの発言は不適切である。え~、これは、強く感じます」 山本代表「もし、この後に確認されたのちに、本人が発言したものであり、その発言の後に農水省や財務省などが仕事を振っていたと確認されたあとには、そういった起用が不適切であったと、認めていただけるということですよね?」 岸田首相「あの~、発言が不適切であるということは改めて強く感じますが、え~と、その、事実について、仮定に基づいてお答えすることは、今は控えます。確認をいたします」 山本代表「もちろん本人は弁明してるんですね。資料6、問題発言後、批判を受けて『あれは単なるメタファー、比喩、問題提起のために強すぎる表現を使った』と言い訳してます。しかし、ネット番組などでの発言を確認すると、高齢者集団自決の必要性の発言が、メタファー、比喩ではないことを、本人が認めてるんですね。資料7、たとえば問題発言の2週間後、ネット番組、これはすでに削除されてます。けれどもネット上には保管されているんですね、様々な方が。ネット番組で本人いわく『全くメタファーではなくて、三島由紀夫とか、リアルにそういうことをやって、しかもそれが日本人の死にざまの1つの象徴みたいな感じで(中略)普通にファッションとしてハラキリは成立するんじゃないかと思ってるんですよね』。資料8、問題発言があった当日のネット番組を確認してみると『唯一の解決策ははっきりしていると思っていて、結局、高齢者の集団自決、集団切腹みたいなことしかない。(中略)別に物理的な切腹だけでなくても良くて』とはっきり発言されてるんです。物理的な切腹も一部含む高齢者の社会的退室を要請してる。発言へのごまかしはあっても、謝罪・撤回はありません。場所や場面によって言い訳を変えたりするポジショントークの芸人、そう考えるならば製作側の判断で使うぶんにはいいかもしれません。一方、一時であったとしても、政府の顔、省庁の顔に使うのは良いのか?さすがにこれはまずいんですよね。財務省の機関紙で、彼の弁明の機会を提供してる場合じゃないんですよ。不適切と認めないのならば、農水省や財務省が、成田氏の言うような人減らしを前に進めようとしていると勘違いを与えかねません。総理、実際にこのようなことがあったとご確認いただいた上で、農水省や財務省の起用があったことは間違いであった、不適切であったということ、確実にこれは認めていただけなければならない。これはそういう事案だと思っています。なので、これを確認されたのち、そのようなご発言をいただけますか?」 岸田首相「いずれにせよ、私の判断は確認した上で判断するべきだと思います」 山本代表「ありがとうございます。それはご確認いただいてからということで結構でございます。その回答に関しまして、委員長、引き取っていただいてよろしいでしょうか?」 桜井充・予算委員長「後刻、委員会で協議させていただきます」 山本代表「今後、このような人選がなされないように、総理が省庁にご指導いただきたい。そういったお願いでございます。今後、こういったことがないように、省庁にお達しをお願いいたします」 岸田首相「言うまでもなく、一般論として、広報活動における人選については、より慎重でなければならない。今後とも慎重に検討すべき課題であると考えます」

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