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習近平氏「生涯最大の賭け」、中国軍の規律弛緩・汚職横行 決断困難な「台湾侵攻」

勝又壽良の経済時評
  • 2024/03/21
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中国軍は「偽の戦闘力」 元インド軍中将の分析 中国も経済分断で大損 習氏は人生賭けた勝負 戦前の日本は、海洋権益を求めて太平洋戦争へ突入した。中国も同様に、海洋権益への強い執着をみせている。これは、極めて危険な兆候である。他国の領土・領海への軍事進出にほかならないからだ。21世紀の先進国は一様に、領土拡張を否定している。だが、中国は「中華再興」を旗印に領土・領海の拡張を目指している。こうした戦略のすれ違いが、中国へ最大の外交上の難題となって圧力になっている。 習氏が、「終身国家主席」を目指していることは言うまでもない。憲法を修正してまで、国家主席の任期を延長したことは、習氏が台湾統一と南シナ海や東シナ海の領海拡張を実現させようとするサインと読むべきだ。そうでなければ、軽々に憲法改正をするはずがない。 中国が、台湾統一と南シナ海や東シナ海の領海拡張を実現させるには、軍事力へ依存するほかない。その中国人民解放軍は、中国共産党の軍隊であって、中国国家の軍隊でないという特異の存在である。政党が所有する軍隊であることは、世界でも希な存在である。中国人民解放軍兵士は、全員が共産党員であるはずがなく、軍務中4分の1を政治教育に費やさなければという脆弱性を抱えている。「国軍」であれば、このような無駄なエネルギーを使う必要はない。これこそ、「党軍」の抱える本質的欠陥の現れである。 中国軍は「偽の戦闘力」 香港紙『サウスチャイナ・モーニング・ポスト』によると、3月11日閉幕した中国全人代で、中央軍事委員会副主席の一人である何衛東氏が、人民解放軍に対して「偽の戦闘力」を取り締まると表明した。不正により、中国軍の戦闘能力が目標とする水準に達していないことを問題視したとみられる。これは、中国軍にとって不名誉この上ない話だ。軍務の25%を政治教育に費やすのは、共産党への忠誠心を教え込むことにほかならない。忠誠心欠如の軍隊ほど、脆弱な存在はない。中国軍は、こうしたリスクにさらされている。 中国全人代常務委員会は、昨年末の12月29日、中国軍の高官ら9人を常務委員代表職から解任した。うち5人は、戦略ミサイル部隊であるロケット軍の出身である。これには、ロケット軍の作戦指揮をとる責任者である司令員だった李玉超氏も含まれていた。ロケット軍は、台湾へ軍事圧力をかける威嚇や、軍事行動をとる際に、最も重要な役割を果す部隊である。そのロケット軍で起こった不祥事だ。それだけに、事態は深刻である。

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  • 勝又壽良の経済時評
  • 経済記者30年と大学教授17年の経験を生かして、内外の経済問題について取り上げる。2010年からブログを毎日、書き続けてきた。この間、著書も数冊出版している。今後も、この姿勢を続ける。
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